プロ野球PRESSBACK NUMBER
ドラフトウラ話…大学、社会人で2度の指名漏れ→DeNAから1位指名 苦労人右腕・竹田祐の“三度目の正直”「去年は気持ちがサーッと引いていって…」
posted2024/10/29 11:20
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph by
Fumi Sawai
「まさか1位だと思っていなかったので……自分でもビックリしています」
ドラフト会議が始まって30分が経とうとした頃だった。指名が重複した宗山塁(明大)、金丸夢斗(関大)、西川史礁(青学大)の抽選が終わり、2度目の指名が始まるとDeNAの1位指名で竹田祐(三菱重工West)の名前が呼ばれたのだ。
“三度目の正直”だった。
ストレートが最速153キロを計測したのは今年の都市対抗予選。即戦力右腕として期待がかかったものの、大学時代、そして社会人2年目だった昨秋と2度の指名漏れを経験している。だが「今年は今までとは違うものはありました」と今までにない手ごたえを感じていたという。
履正社→明大とエリートコースを歩んだが…
17年センバツで履正社のエースとして準優勝を果たした頃から、竹田の名前はアマチュア野球界に知れ渡っていた。当時から140キロ台半ばの速球を武器とし、将来性豊かな大型右腕として注目されたが、4年後のプロ入りを目指し明大に進学。明大では2年春に4勝を挙げるなど通算11勝を挙げた。
だが、大学時代の自分を振り返ると、竹田の中にはどこか心残りのあるような表情を浮かべる。
「大学時代は、正直そこまで成長できたという自負がなかったんです。ずっと投げさせてもらってはいましたが、3年生の春にコロナでリーグ戦が中止になった後、フォームが定まらず夏のリーグ戦でボコボコに打たれたこともありました。実戦が遠のいたせいではないのですが、自分の中ではうまくいかないことの方が多くて……」
明大時代は2年上に広島から1位指名を受けた森下暢仁、DeNAで現在中継ぎとして活躍する伊勢大夢、1年上にはDeNA1位で入団した入江大生という投手陣がいた。
ハイレベルな環境下で自分も続けとプロを志すも指名とはならず。プロへの再挑戦のため社会人野球の世界に飛び込んだものの、思うようなピッチングができない日々がさらに続いていたという。