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「MVP松井秀喜…翌年エンゼルスで」大谷翔平と山本由伸が勝つと日本人何人目? ワールドシリーズ豆知識「野茂英雄やイチローが未経験。初制覇は…」
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byUSA TODAY Network/AFLO
posted2024/10/24 11:02
2009年ワールドシリーズMVPに輝いた松井秀喜。翌年にエンゼルス所属となり、チャンピオンリングが贈呈された
〈ワールドシリーズ進出 7人〉
新庄剛志、松井稼頭央、岩村明憲、青木宣親、前田健太、ダルビッシュ有、筒香嘉智
ワールドシリーズの大舞台に進出したものの、敗退した選手は7人。青木宣親はロイヤルズ時代の2014年にワイルドカードからワールドシリーズまで進出したが、ジャイアンツに敗退した。
前田健太は2016年から5年連続でポストシーズンに進出、日本人投手としては最多の27試合に登板している。ドジャース時代の2017、2018年とワールドシリーズに進出。18年のレッドソックスとの対決で前田は救援で3試合に投げたものの敗退した。
ダルビッシュ有は今年も含めて6回、ポストシーズンに進出。2017年、ドジャース時代にアストロズとのワールドシリーズに進出した。2回先発で投げたが2敗している。
筒香はMLBでは成功した印象がないが、レイズに入団した2020年、ワイルドカードゲームからワールドシリーズまで8試合に出場した。ドジャースとのワールドシリーズでは3回代打で出たが安打は出なかった。
初のWS制覇の井口、田口はチャンピオンリングを2つ保有
〈チャンピオンリングを獲得 7人〉
井口資仁、田口壮、松坂大輔、岡島秀樹、松井秀喜、上原浩治、田澤純一
長いポストシーズンを勝ち抜いてワールドシリーズに進出して、チャンピオンリングを得たのは2023年時点で7人に限られる。
最初にチャンピオンリングを手にしたのは2005年の井口資仁、ホワイトソックスがアストロズを4連勝でスイープしたシリーズ。井口は2番二塁で4試合ともスタメン出場。本人は18打数3安打、打率.167ながら日本人初の栄誉となった。
翌2006年、田口壮のカージナルスがタイガースを4勝1敗で下し、チャンピオンリングを獲得した。この年の田口は「外野のスーパーサブ」的な役割でトニー・ラルーサ監督の信頼が厚かったが、ワールドシリーズでは3試合でスタメン出場し、11打数2安打の成績を残した。なお井口と田口は2008年にフィリーズで同僚となり、ワールドシリーズで出場はなかったものの2つ目のチャンピオンリングを獲得している。
松坂大輔と岡島秀樹は同じ2007年、レッドソックス時代にロッキーズとのワールドシリーズを4勝0敗で制してチャンピオンリングを獲得。松坂は第3戦に先発し5.1回を自責点2で投げて勝利投手に。岡島は第2戦、第4戦に救援で投げて2ホールドを挙げた。なお、ロッキーズには松井稼頭央がいた。
ヤンキース退団直前、松井秀喜が見せた打棒爆発
日本人選手が歴史的な活躍を見せたのはご存じの通り――2009年、35歳の松井秀喜だろう。成績を子細に振り返ると、興味深い起用法が見えてくる。