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「見ててすごい」大谷翔平の後ろで頼れるベッツ…昔は低評価だったが“30億円自腹”ドジャースが電撃トレードで獲った背景「自分の役目をね」 

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NumberWeb編集部

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photograph byDaniel Shirey/Getty Images

posted2024/10/18 17:51

「見ててすごい」大谷翔平の後ろで頼れるベッツ…昔は低評価だったが“30億円自腹”ドジャースが電撃トレードで獲った背景「自分の役目をね」<Number Web> photograph by Daniel Shirey/Getty Images

大谷翔平の次を打つ役割を颯爽とこなし、ドジャースを引っ張るムーキー・ベッツ。やはり彼もスーパースターである

 キャリア通算6度のゴールドグラブ賞を獲得し、271本塁打188盗塁。そのうえでチームバッティングなど攻守両面で幅広く勝利に貢献する姿勢を貫くチームプレーヤーぶりについて、レッドソックス時代の先輩であるオルティスが絶賛したのも納得といったところだ。

 NumberWebの記事でベッツが大谷について〈どんなに必死に頑張っても、ショウヘイ・オオタニにはかなわない〉と語った言葉が話題になった。しかし杉浦大介氏の取材によると、大谷自身もエンゼルス時代、ベッツに対して2023年のオールスターでこんな風に最大限のリスペクトをしている。

「(彼のように)高いレベルでオールラウンドにこなせる選手はいない。見ててすごい」

“年俸30億円”を負担してでも電撃トレード

<名言2>
イラ立つ気持ちはある。本当に腹立たしい。
(デーブ・ロバーツ/NumberWeb 2020年2月16日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/842514

◇解説◇
 ドジャースがベッツを獲得したのは、2020年のキャンプイン直前のこと。レッドソックスからベッツと2012年のサイ・ヤング賞投手デビッド・プライス、ドジャースからは外野手アレックス・バードゥーゴ、内野手ジーター・ダウンス、捕手コーナー・ウォンがそれぞれ移籍する2対3の大型かつ電撃トレードだったわけだが……実はこの時点で、ベッツは前所属レッドソックスと契約更改を済ませていた。

 この時点でのベッツの年俸は2700万ドル。当時のレートで約30億円である。この年俸をドジャースが負担するという条件をのんだのだ。

 ドジャースが決断した背景には2017年にアストロズ、2018年にはレッドソックス――当時ベッツが所属していた――と、2年連続でワールドシリーズに敗れた経緯がある。特に前田健太やダルビッシュ有らを擁しながら、後に明らかになるサイン盗みの当事者に敗れた2017年について、ロバーツ監督は前述したように悔しさを露わにしたという。

 相手チームがどんな手を使ってきたとしても、選手たちとフロントの力でねじ伏せていく。ベッツ獲得で見せたドジャースの積極補強の方針は、その後もフレディ・フリーマンと大谷の“MVPトリオ”、タイラー・グラスノーに山本由伸と続いていく。

苦境でも「自分の役目を果たす」チームプレーヤー

<名言3>
一人ひとりが自分の役目を果たすしかない。
(ムーキー・ベッツ/Number1105号 2024年9月26日発売)

◇解説◇
 ドジャースはベッツ加入1シーズン目の2020年、新型コロナウイルス禍によって60試合となった短縮シーズンに臨んだ。そのイレギュラーな日程の中でもベッツは輝いた。

 レギュラーシーズンの成績は55試合16本塁打39打点、打率.292、チームもMLB全体1位の勝率を残した。ポストシーズンではブレーブスに1勝3敗と追い込まれるものの守備でファインプレーを連発し、レイズとのワールドシリーズでも第1戦で1本塁打2盗塁を記録するなど、ドジャースの世界一に大きく貢献した。

 2度のワールドチャンピオンを経験しても、ベッツの勝利へのどん欲さは変わらない。2024年は自身を含めた主力の負傷禍、苦しむ先発投手陣の状況などがあったが「こんな事態でもやり遂げる方法を見つけださないと」と語っている。勝利のために何ができるか。それを日々突き詰めているからこそ、自身の2ラン後に大谷と喜びを分かち合った――メッツとの第4戦のような大活躍ができるのだろう。

 2023年のWBC決勝で大谷がアメリカ戦前にスピーチした、あまりにも有名な「憧れるのをやめましょう」の中でマイク・トラウト、ポール・ゴールドシュミットとともに名前を挙げたのがムーキー・ベッツだった。そんなベッツの偉大さを、大谷と山本由伸の活躍とともにドジャースの試合で堪能できることも、野球ファンにとって幸せなのかもしれない。

〈大谷翔平とドジャース特集:つづく〉

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