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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「立浪中日、低迷の原因は?」山崎武司がホンネ総括 育成は評価も「令和の米騒動、茶髪ルール」は…新庄監督やノムさん、星野仙一と何が違ったか
text by
間淳Jun Aida
photograph byKyodo News
posted2024/10/21 11:00
3年連続最下位という形で立浪ドラゴンズ体制は終了した。ともにプレーした山崎武司氏はどう総括するか
「日本ハムの選手は表情が良かったし、伸び伸びプレーしていました。一方で、中日の選手は立浪監督に遠慮したり、恐れていたりするのが目に見えて分かりました。僕らが星野仙一監督と一緒にやった時以上の緊張感があったように見えました」
「令和の米騒動」は立浪監督が気の毒だったが
チーム内の風通しの悪さが表面化した“事件”と言えば、「令和の米騒動」だろう。昨年8月、ベンチ裏にある食堂の入口に「当面の間、白米を提供しません」と紙が張られたと報じられた。夏場に選手の調子が落ちた理由は白米にあると立浪前監督が考えて発案したという。報道によって批判されたこともあり、すぐに張り紙は剥がされて白米は解禁された。
山崎氏が驚いたのは白米を禁止されたことではなかった。報道されて話題になったところにチームの現状を感じ取った。
「僕らが中日でプレーしていた時も白米が禁止された時期がありました。星野監督はキャンプ中、白米禁止でしたから。米を禁止する良し悪しは監督が方針として決めることなので、何も気にする話ではありません。メディアにおもしろおかしく報じられて、立浪監督が気の毒でしたね」
今の時代はSNSで一般の人も自由に情報の拡散や発信ができるため、「令和の米騒動」は瞬く間に広がった。山崎氏は「チームの調子が良ければ白米禁止は称賛されたはずです。こんなことが不平不満になって外に出るのは、監督をはじめとする首脳陣の求心力が薄れている証拠です」
立浪監督の言動は大義名分が…発言に一貫性がないと
星野監督が率いた中日は、キャンプ中の白米だけではなく、映画館に行くことも遠征先での外出も頻繁に禁止されたという。山崎氏は「言い出したら切りがないくらい禁止事項がありました」と振り返る。そして、選手の不満が表に出るチームと出ないチームには「大義名分」を挙げる。
「星野監督が映画館や外出を禁止したのは、密室で風邪をもらうなど体調を崩すリスクがあったからです。野村克也監督は楽天で茶髪と髭を禁止しましたが、日本人は第一印象が大切で自ら不利な状況をつくって得はないと選手に説明していました。監督の思い付きには選手は反発しますし、理由が明確な方針であれば従います」