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ドラフトで中日は誰を獲るべき?「宗山塁も欲しいが優先すべきは…」OB山崎武司が井上新監督に猛ゲキ「星野さんや落合さんは一軍監督スタートでも」
posted2024/10/21 11:01
text by
間淳Jun Aida
photograph by
JIJI PRESS
組閣や補強をどこまで思い通りにできるか…未知数
球団史上初の3年連続最下位から浮上するのは簡単ではない。難局の打開を託されたのは、中日のOBで二軍監督を務めていた井上一樹氏だった。10日に一軍監督の就任会見で決意を語った。
「チーム一丸となって勝つチームに成り上がらなければいけない責務を肝に銘じて監督を務めていきます。監督という重責への不安はありますが、我慢と勇気と持ち前のチームを明るくする自分の長所を前面に出して、いいチームがつくれればと思っております」
わずか12しかないプロ野球一軍監督の椅子。そこに座ることを許されるのが名誉なのは間違いない。だが、野球評論家の山崎武司氏は、かつて中日で一緒にプレーした井上新監督の心中を推し量り「大変だと思う」と繰り返した。
井上新監督は立浪和義前監督の方針を引き継ぐ考えを示している。山崎氏は井上氏の明るい性格やコミュニケーション能力の高さに、中日の課題を解決する可能性を感じている。ただ、組閣に苦労している現状や現有戦力から、期待を上回る懸念があると指摘する。
「自分の考え方を理解して、同じ方向へ歩みを進められるコーチ陣の存在なくして、チームはまとまりません。井上新監督が組閣や補強をどこまで思い通りにできるのか未知数です。また、3年、5年かけてチームづくりをする猶予が与えられているとは思えない中、すぐに結果を求められる難しさもあります」
“エリート街道ではない”井上監督だからこその強み
立浪監督の3年間を総括した際、山崎氏は選手とのコミュニケーション不足や控え選手の起用法を低迷した理由に挙げた。その点では、井上新監督にアドバンテージがあるという。
井上新監督は今季、ウエスタン・リーグを制した2011年以来、2度目となる中日の二軍監督を務め、シーズン終盤までソフトバンクと優勝争いを繰り広げた。来季1軍で戦力になりそうな選手の特徴や性格を把握した状態でシーズンをスタートできる。
投手でプロのキャリアをスタートした井上新監督は現役時代、制球難を克服できずにプロ5年目に打者に転向した。外野手としてレギュラーに定着したシーズンは少なかったが、けが人が出た際にチームのピンチを救い、代打の切り札でも存在感を発揮。38歳まで現役を続けた。この苦労がエリート街道を歩んだ立浪前監督との決定的な違いで、チームを指揮する立場になっても生きてくると山崎氏は見ている。