「敗れて潔し」日本ハム・新庄剛志監督が示した“ポジティブ効果”「野村克也監督がお元気なら、お小言を連発しているかも（笑）」大胆采配を解説

　敗れて潔し――。３連敗で敗退が決まったCSファイナルステージ第３戦。試合後の新庄監督は、ソフトバンクナインへ拍手をおくり勝者を称えた。

　日本シリーズ進出の夢は叶わなかったが、新庄采配が野球ファンを魅了したことに変わりはないだろう。ロッテとのCSファーストステージは、第1戦を落としたものの、第2戦は劇的なサヨナラ勝利。第3戦も逆転勝ちで2勝1敗とし、8年ぶりのファイナル進出を決め開場2年目のエスコンフィールドは歓喜に揺れた。

ファイナルステージ進出を決め、喜ぶファイターズナイン　©︎JIJI PRESS

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　荒木氏が解説する。

「特に若い選手たちの成長を感じました。新庄監督が時に大胆な采配を繰り出しても、選手たちは常に準備ができているんです。この3年間で、選手たちは新庄監督の考えというものをしっかり理解して頭の中で整理し、こういう状況だったらこういう要求があるのだろうと先読みして準備できるようになった。それが今シーズンのチームとしての強さに繋がっているのだと感じました」

一か八か…大胆な作戦

　荒木氏がCSファーストステージで新庄監督“らしい”采配として印象に残っているのは、第1戦の初回の攻撃の場面だという。ロッテが先発に起用した佐々木朗希に対し、1番打者の淺間大基が四球を選び出塁。2番・清宮幸太郎への3球目に盗塁を仕掛けたが失敗してアウトになった。

大胆な作戦で相手チームを翻弄する新庄監督　©︎Hideki Sugiyama

「佐々木朗希の立ち上がり、制球が不安定なところでいきなり走ってアウトになった。セオリー的にはああいう場面で単独のスチールはやりません。失敗すればまだ制球がおぼつかないピッチャーに対して、簡単に1アウトをあげて立ち直らせてしまうことになる。ましてや短期決戦では慎重に試合に入っていきたいものです。

　結果的にこの試合を落としていますから、振り返ればロッテに流れを渡してしまったプレーだったと言える。でももし、逆にあそこで盗塁が成功していたら一気に流れを掴んで、早い段階で佐々木朗希を攻略していたかもしれない。まさに一か八かという大胆な作戦をしてしまう、出来てしまうのが実に新庄監督らしいなと感じました」

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