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「私の給料を知ってるのか?」敗戦後、日本メディアの質問にマンチーニ監督ピリピリ…日本とサウジアラビアの明暗はなぜ分かれた? 現地で見た舞台裏
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byGetty Images
posted2024/10/14 17:19
日本代表に0-2で敗れたサウジアラビア代表監督のロベルト・マンチーニ
その後はアラブ語と日本語の通訳も介入しながら質問の文言の確認がいくつか繰り返され、最終的に質問者は「給料」に関する部分を取り下げた。しかし、時すでに遅し。質疑応答はみるみる拡散した。
イタリアメディアが「年俸40億円」と報じているサラリーに見合っているかどうかはさておいて、日本戦の内容はそこまで酷いものではなかった。それまで採用していた3バックではなく、4バックにアンカーを置く布陣からロングボールを多用する攻撃は、日本に対してそれなりの効果があった。ボール支配率でもシュート数でもサウジアラビアは日本を上回っていた。
選手たちが語った勝因「普通に考えて…」
ベンチスタートで後半の81分にFW小川航基のチーム2点目をアシストしたMF伊東純也は「(前半は)相手がボールを持つ時間が長かったり、相手が奪った後にイージーなミスで攻撃できないことは多かったかなと思いました」と語っていた。
うまくいかない中でも失点せず、2-0という結果を生んだのは、総合的なクオリティのところで日本が上回ったというシンプルな理由によるものだ。
前半の14分にMF鎌田大地の先制点をアシストしたMF守田英正は、第一の想定ではなかった相手の4バックに対して試合中にアジャストを試みたものの「結局上手くいかなかった」としながらも、勝因をこのように振り返った。
「相手は後ろに人数をかけるし、ボランチも下りてきたりするけど、怖いところに配球できる選手がいなかった。センターバックもフリーにさせても良い感じだった」
もちろん、早い時間に先制点を取ったことも大きい。守田はこのように言う。
「最初は(前から)行っていた分、蹴られた後はしんどかったけど、(日本が先制したことで)相手が来るという思考に変わってからは、ミドルブロックを敷いて上に行かない形を取れて、それで良くなったという印象です」
そして、MF堂安律。先制点の起点となるクロスを右サイドから上げた背番号10は、「普通に考えて僕たちはヨーロッパでやっているので、サウジリーグでやっている人に負けたらダメだなと思う」と自負を込めてコメントした。