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“大谷翔平が脇役”に…「ダルビッシュ有vs大谷ベッツは12打数0安打」「山本由伸は“同じ失敗を2度しない”」日本のエース初対決成績が美しい 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byNicole Vasquez/Getty Images

posted2024/10/13 11:04

“大谷翔平が脇役”に…「ダルビッシュ有vs大谷ベッツは12打数0安打」「山本由伸は“同じ失敗を2度しない”」日本のエース初対決成績が美しい<Number Web> photograph by Nicole Vasquez/Getty Images

ダルビッシュ有と山本由伸。2人の「日本のエース」が投げ合った計140球は極上の投手戦だった

《7回》
【ダルビッシュ】
フリーマン:二直(カッター)3球
テオスカー・ヘルナンデス:左本塁打(スライダー)4球
マンシー:右邪飛(スプリッター)2球

 フリーマンを打ち取ったものの、続くテオスカーに2-1から内側に入ったスライダーを思い切り振り回されて、左翼へ128mの本塁打を浴びる。MLB公式サイトは「もう一人のヘルナンデスも一発」と即座に報じた。ダルビッシュは大きく吠えていたが――打たれた瞬間、結果を察知したのだろう。

 マンシーを右邪飛に取ったところでダルビッシュは降板。2本のソロホームランに泣いたとはいえ、6.2回3被安打4奪三振1与四球、自責点2。山本と甲乙つけがたい、見事な77球だった。

由伸の「5回無失点」はドジャースで36年ぶり

 なお両先発の降板後は何も起こらず。ドジャースはベシアの後、コペック、トライネンとつないで2-0で勝利。明後日、リーグ優勝決定シリーズで、千賀滉大のいるメッツとの対戦が決まった。

 大谷はこの日、完全に脇役に回った。ダルビッシュ相手に再び無安打で抑えられるなど、4打数0安打3三振。しかし彼はチームメイト、とりわけ山本由伸の活躍を嬉しく思っていたことだろう。シャンパンファイトでの2人の姿を見れば、それがよくわかる。

 試合時間は2時間26分、2人の球数の少なさとともに、ピッチクロックの「小気味よさ」をしみじみ感じた。

 山本由伸は「同じ失敗は2度しない」選手だ。昨年の日本シリーズ、阪神との第1戦では5.2回自責点7と打ち込まれたが、第6戦は9回1失点で完投した。これがNPBでの最後の登板になったのだが、パドレスとの初戦で大量失点した今回も、必ず修正してくると思われた。

 ドジャースで「ポストシーズン5イニング以上の無失点」を1988年の名投手オーレル・ハーシュハイザー以来、36年ぶりに記録した山本由伸はもちろんのこと、この日でシーズンが終了したダルビッシュも「来季はいける」という手ごたえを感じたのではないか。

 球史に残る、引き締まった好ゲームだった。

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