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「英語もスムーズだけど…」河村勇輝がNBA記者を感心させた言動とは?「カワムラは才能があるよ」今季は“下部リーグ行き濃厚”も笑顔なワケ
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byAP/AFLO
posted2024/10/04 17:01
NBAメンフィス・グリズリーズのトレーニングキャンプで汗を流す河村勇輝(23歳)。パリ五輪で話題になった“太い腕”も頼もしい
10月2日、練習後のメディア対応時には、地元紙『メンフィス・コマーシャル・アピール』のダマイケル・コール記者、グリズリーズ公式サイトのコンテンツプロバイダーであるマイケル・ウォーレス氏といった現地メディアの質問にも英語でスムーズに返答していた。英語力以上に落ち着きと度胸を示し、ベテラン記者たちは感心させられた様子。このようにグリズリーズの選手たち、周囲の関係者は河村に好感を持っていることは間違いなく、そのチャレンジは順調に滑り出したといっていい。
もっとも、ここで断っておきたいが、無保証の契約でトレーニングキャンプに加わった河村がNBA入りにすでに大きく近づいていると言いたいわけではない。
指揮官はGリーグ行きを“ほぼ明言”
もともと河村が受け取ったエグジビット10契約は開幕ロースター入りの可能性は低いものの、将来性のある人材確保のために設けられたキャンプ契約。今後、キャンプでいいプレーを継続し、プレシーズンでも活躍すれば状況が変わることは考えられる。エグジビット10契約から2ウェイ契約に切り替わり、早い段階でNBAデビューを飾ることもありえない話ではない。
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しかし、少なくとも現時点でそんなシナリオが鮮明に描かれているわけではない。
「(河村は)チームのカルチャーをセットしてくれる。(Gリーグの)ハッスルでも、プレシーズンでのグリズリーズでも、勝利のためにプレーしてくれる」
テイラー・ジェンキンスHCは河村のことを絶賛してはいたが、その言葉はプレシーズン限りでGリーグのメンフィス・ハッスルに行くことを想定したものだった。
全体練習後の居残りメニューも主力からは離れ、他のエグジビット10契約選手たちと一緒。付け加えると、筆者を含む一部の日本人記者たちはチーム関係者から傘下のGリーグの公式行事日程、連絡先の指南なども受けた。これらのすべては、河村がどこかでカットされ、Gリーグ行きとなるのが規定路線であることを指し示す。