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「英語もスムーズだけど…」河村勇輝がNBA記者を感心させた言動とは?「カワムラは才能があるよ」今季は“下部リーグ行き濃厚”も笑顔なワケ
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byAP/AFLO
posted2024/10/04 17:01
NBAメンフィス・グリズリーズのトレーニングキャンプで汗を流す河村勇輝(23歳)。パリ五輪で話題になった“太い腕”も頼もしい
「エグジビット10契約というのはある程度ロースターが固まったあとにチームの層を厚くする目的で選手を獲得するためのもの。現実的にまずはGリーグでプレーすることになるのだろう。とはいえ、長いシーズンの中では何でも起こり得る。去年はグリズリーズの3人のエグジビット10契約選手のうち、2人がNBAに上がっているから、今年も可能性はあるはずだ」
コール記者がそう述べていた通り、もちろん昇格の線は常にある。ただ、モラント、マーカス・スマートといった去年はケガに泣いた主力が復帰したグリズリーズはすぐにでも勝ちにいきたいチーム。昨季のように故障者が続出すれば話は別だが、そんなアクシデントがない限り、まだ枠には空きがあると言っても、アメリカで実績のない小柄なポイントガード(PG)を早い段階で登用するシナリオは想像し難いのが現実ではある。
毎日がトライアウト状態も…なぜ笑顔?
ここで心強いのは、河村自身もそういった現状をしっかりと認識し、その上で明るく前を向いていること。キャンプ初日には、いつGリーグに送られても不思議はない自身の危機感を正直に語っていた。
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「本当に毎日がトライアウト。いつカットされるかわからない状況なので、リラックスはまったくできませんし、自分がプレーできるってことをチームメイトにもコーチングスタッフにも証明しなければいけません」
そう述べていた一方で、遠くない未来にカットされたとして、それが“End of the Road(袋小路、限界)”ではないことをもちろん理解している。
キャンプ2日目、目の前のことに全力で臨むとともに、現実的には長期での戦いを視野に入れているのかと問うと、聡明な23歳の答えは実に明快なものだった。