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核心にシュートを!BACK NUMBER
三笘薫の“テレビに映らないプロ意識”「開始8分で水を」「スパイクに芝生や土1つすら…」酷暑の日本代表戦で記者が目撃「負担を考えてです」
posted2024/09/15 17:04
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
JFA/AFLO
酷暑のバーレーンでのアウェーゲームで5-0の大勝を飾れた要因の1つが、ピッチ外での意識の違いだった。
違いを見せつけた代表格はもちろん、三笘薫である。
“三球王”の後、本当に聞きたかった質問を
中国戦を受けたNumber Webの記事がアップされてからネットを中心に盛り上がったトピックがある。中国での三笘の愛称の話だ。中国で優れた選手につける「王」と、「球」を扱うサッカー選手に、名字から「三」を拝借して、「三球王」と呼ばれているという。
バーレーン戦後、取材陣からの質問ラッシュが少し落ち着いてきたタイミングで、「『三球王』と呼ばれているニュースが話題になったので、耳に入っているとは思いますが……」と切り出してみた。
「あぁ、そうっすね……」
三笘にレコーダーを向けた旧知の記者からの「オマエ、アホな質問する気か?」という視線を筆者は感じつつも――“三球王”へ、本当に聞きたい質問を続けた。
「中国ではそれだけ日本の選手がリスペクトされているということでしょうし、バーレーンの選手は、大敗した後なのに三笘選手とユニフォーム交換を求めていました。相手が試合前から日本をリスペクトしすぎてくれて、それが試合をやりやすくした部分もあるのでしょうか?」
三笘は少し考えてから、こう答えた。
「試合前は感じなかったですけど、試合後であったり、(試合中に)2、3点取った後の雰囲気からは、ちょっと諦めるところが出てきていた。そこはリスペクトが強いからなのかもしれないですね。ただ、そういうもの(対戦相手の絶望感)は自分たちのプレー、強度で(相手が打ちのめされて)出ているところもありますけど」
前半8分、ペットボトルを手にした三笘は飲まずに
ただ、それだけではないだろう。
この試合に向けて、三笘を筆頭にした日本代表選手のサッカー以外での取り組みや心構えのレベルは、バーレーンとは比較にならないものだった。
三笘のプロフットボーラーとしての“意識の高さ”が垣間見えた場面があった。
ユニフォームが文字通り身体に張り付くような酷暑のなかで、バーレーン戦は始まった。すると前半8分、三笘は早くも、ボトルを拾い上げた。
「そんなに喉が渇くのか!」
筆者はそう推測したが、勘違いだった。