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65億円移籍のロシアで“ハブられ”、屈辱のW杯も…「日本に感謝だ。引退したら旅行したい」“今は6児の父”暴れん坊FWフッキ38歳が語るワケ

posted2024/09/23 11:05

 
65億円移籍のロシアで“ハブられ”、屈辱のW杯も…「日本に感謝だ。引退したら旅行したい」“今は6児の父”暴れん坊FWフッキ38歳が語るワケ<Number Web> photograph by Hiroaki Sawada

現在は母国ブラジルのクラブでプレーを続けるフッキ。38歳の今もなお意気軒昂だった

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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Hiroaki Sawada

 川崎フロンターレや東京ヴェルディ、ヨーロッパの最前線などで得点とイエローカードを量産した元ブラジル代表FWフッキへの直撃取材が実現。“問題児ストライカー”に当時の裏話と今の生活を聞いた。〈NumberWebインタビュー/全4回〉

 Jリーグでキャリアの土台を築いた男は、ポルトガルの名門ポルトで4シーズンに渡って活躍し、世界トップクラスのストライカーへ成長を遂げた。しかしその後所属したロシアの地では、意外な居心地の悪さを感じていたのだという――。

移籍金65億円で渡ったロシアの地で疎まれた

――この頃、欧州ビッグクラブからオファーが殺到したのでは?

「それが、自分ではわからないんだ。当時の代理人が何も教えてくれなかった」

――イングランド、スペイン、イタリアなどのビッグクラブでプレーしたい気持ちもあったのでは?

「もちろん、そういう思いはあった。でも、フットボールの世界では常に自分の気持ちを押し通せるわけではない。少々、複雑なんだ」

――結局、2012年9月、ロシアリーグの強豪ゼニトへ推定移籍金4000万ユーロ(約65億円)で移籍します。ゼニトでは、当初、居心地の悪さを感じたそうですね。

「僕がチーム随一の高給取りだったことから、リーダー格のロシア人選手から疎まれたんだ。要するに、ボイコットだな。僕に会っても挨拶すらしない。試合中にパスをくれない。僕がゴールを決めても、誰も喜ばない。ひどいものだった」

――対戦相手のサポーターから人種差別的な罵声を浴びた、とも報じられた。

「アウェーゲームでは、聞くに堪えない野次を浴びせられた。のみならず、ゼニトのサポーターからも『我々のクラブに黒人選手なんかいらない』という声を聞いた。これは、本当に悲しかった」

――そのような状況がずっと続いたのですか?

「1年以上はね。さすがに我慢できなくなったから、2シーズン目に入った頃、チームリーダーたちに向かって、『僕はチームの勝利のために全身全霊を傾けてプレーしている。チームというものは、勝つときも負ける時もみんな一緒だ。違うかい?』と問いかけた。彼らと腹を割って話し合った結果、僕が自分のためでなくチームの勝利のためにプレーしていることが理解してもらえ、心が通い始めた。サポーターも、僕のことを応援してくれるようになった。その後は、状況が劇的に好転した」

ブラジルW杯、1-7の大敗時には…

――ゼニトでも、コンスタントにゴールをあげた。そして、セレソンでも母国開催の2014年W杯に招集された。

【次ページ】 中国移籍後はケンゴの川崎と対戦したよ

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