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「LINEが120件きて…」高校野球“0勝なのに”会いたい人が殺到中の監督…何者? リアルな評判「距離感がバグってる」「季節ごとに収穫物を玄関に」 

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樫本ゆき

樫本ゆきYuki Kashimoto

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posted2024/09/11 11:02

「LINEが120件きて…」高校野球“0勝なのに”会いたい人が殺到中の監督…何者? リアルな評判「距離感がバグってる」「季節ごとに収穫物を玄関に」<Number Web> photograph by Yuki Kashimoto

加美農を率いる佐伯友也監督、37歳。なぜ全国の指導者は佐伯を訪ねるのか

「一つの幹から成長していく『枝分かれ』でしょうか。高校野球という木をみんなで大きく、強くしていくイメージかもしれません。小規模野球部の指導法を仲間たちで共有し、全国に展開させていく。それぞれの枝から花を咲かせることが楽しみです」

例1)石巻北「加美農の元部長が…」

 2023年の加美農スタッフは、臨時コーチ含め過去最大の6名になった。佐伯監督、齊藤太郎部長、一迫商OBの千葉俊博顧問、佐藤圭顧問、新任の酒井渉顧問。様々な背景を持つ6名が「単独チームを維持する」という志で結束した。コーチたちには目の前の選手を支える役割に加え、もう一つの使命がある。公立校の教員には定期的な異動があり、加美農を去る日がいつか必ず来る。他校に移り、そこで単独チームを維持するためには自分も強い枝とならなければいけない。

 加美農が部員2人だったときの部長・村上拓也教諭は部員1人の石巻北で監督を務めている。「まず言いたいのは、県内、東北、全国を見まわしても加美農のケースは普通、考えられないことだと思います。部員数をここまで増やしたのは、奇跡だと思います」と感嘆する。

【次ページ】 例2)宮城工「バズってしまった」

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