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「甲子園でも大きい選手ばかりだったので…」U18日本代表で“165センチの小兵”がスタメン抜擢…本人も「最初は驚いた」山畑真南斗は何がスゴい?
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph byFumi Sawai
posted2024/09/09 11:03
U18日本代表チームで最も小柄な165センチの山畑真南斗(明徳義塾)。それでもアジア選手権では途中からスタメンに抜擢されるなど活躍
明徳義塾の野球といえば、緻密かつ堅実な野球が身上だ。試合前の守備練習を見ていても、山畑のノックの動きはとにかく機敏だ。特に台湾戦のような1点が重たい試合となると、打っていくのではなく小技や堅実さを持った選手の働きの重要性が高くなる。
荒井直樹ヘッドコーチ(前橋育英高監督)は、この日の山畑についてこんなことを明かしてくれた。
「今日の相手のピッチャーは強いボールを投げるので、打っていこうとしても実際は難しい。点がなかなか取れない中で、二盗、三盗を決めてくれる選手がいるのはすごく大きいですよね。こういう試合はどれだけ守って、どう1点を取るか……となると思うんですけど、こういう(二盗、三盗を決めた)姿勢は、今後ポイントゲッターになっていくのかなと思います」
馬淵監督は「ベンチにいることが多い。でも…」
昨年は明徳義塾の馬淵史郎監督がU18日本代表の監督としてチームを世界一に導いた。その馬淵監督からはこのように送り出されたという。
「自分より体が大きい選手が多いし、たぶんベンチにいることが多いと思う。でも、出た時にしっかり役割を果たせるように準備をしておけと言われました」
守備のミスはあっても、足で相手を揺さぶり初安打から得点に結びつけた。
試合後のインタビューでは天母球場の照明に照らされたあどけない笑顔がまぶしく映った。
日本代表でも、やはり小回りの利く選手は欠かせない。
決勝では再びの対戦となった台湾に敗れ、8年ぶりのアジア王者はならなかった。それでも山畑は決勝でもスタメンに名を連ね、1安打1盗塁を決めてみせた。さらに濱本が首位打者(打率6割超)、ベストナインなどタイトルを手にするなど「いぶし銀」の選手の躍動が目立った。
山畑のような165センチの小兵が積んだ貴重な経験は、今後の野球人生に大きな意味を持つはずだ。