その過程で、先述した福田やベルギー1部のヘンクに加入した吉永夢希（神村学園高卒）といった先輩たちに連絡をとった。海外の厳しい環境で揉まれている彼らからも「今評価をもらった事実を一番に考えろ」と力強いアドバイスをもらい、覚悟を決まった。

「高卒でプレミアは伊藤翔選手（中京大中京高→グルノーブル/フランス ※アーセナルの練習に参加し声がかかるもビザが下りず断念）、宮市亮選手しかいないので、僕自身としても日章学園としても日本サッカー界としても、高卒でプレミアに挑んで成功する流れを作りたいと思ったんです。

　吉田麻也選手、南野拓実選手、冨安健洋選手、遠藤航選手など、プレミアで活躍した選手はA代表でも主軸になっています。目標であるA代表でW杯に出ることを実現するためにも、プレミアリーガーになることが重要だと考えていました。高卒でプレミアに行って、そこからA代表に入って定着する。そういう流れを作りたい、その先駆者になりたいと純粋に思いました」

U-17W杯ラウンド16でスペインに敗れ、悔し涙を流す高岡伶颯とロールモデルコーチとして参加した阿部勇樹　©︎Getty Images

「工夫すればサイズなんて関係ない」

　とはいえ、厳しい道が待ち受けているのは間違いない。屈強なフィジカルとサイズを持ち、かつ技術とスピードを兼ね備えた選手がゴロゴロいる舞台で、165cmと小柄な高岡はどのようにして未来を切り開いていくのか。

「（サウサンプトンの練習では）僕と目線が合う人はほとんどいなかった。当然『お前、小さいな』とか言われたり、思われたりすると思いますが、今まで（スピードを）武器にしてやってきた自負があります。逆にこれを止められると思っていないし、いける自信しかないですね。もし止められるときが来たとしたら、そこでまた考えて工夫すればいいだけの話。工夫をすれば自分のサイズなんて関係ないし、逆にいろんなことをやって度肝を抜かせたいです」

今年はJFA・Jリーグ特別指定選手として地元のテゲバジャーロ宮崎に登録されている（2024年Jヴィレッジカップ）　©︎Takahito Ando

　茨の道は覚悟の上。10代にして“本物の度胸”をもった高岡は、この夏、ピッチ外でも気丈に振る舞うパーソナリティーを存分に発揮した。

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