「これだけ毎日のように試合に出るとなると、リカバリーのほうが大事になってきますからね。 練習をすることよりもリカバリーすることに比重を置かなくてはいけないという意識はあります。どれだけフレッシュな状態で毎日、試合に入れるか。1試合単位で考えても、ケガをしないで1年間やり通すという意味においても、それは一番大事なところだと思っています」

ーー今年は屋外でのバッティング練習をしなくなったり、練習量をかなり減らしたと伝え聞きます。不安はなかったんですか。

「練習って、やりすぎることによってフィジカル的に崩れてきたりすることもあるんですよね。 感覚的にやりすぎて崩れることはけっこうあったので、そういう意味で練習量を減らしてみましたけど、これもひとつのチャレンジかなと思っています」

ーーチームから『どうだ、行けるか』と訊かれた場合、『行ける』ときと『行きたい』ときの 区別はついていますか。

「ハイ、ついてます。実際、無理だな、キツイなっていう感じの日はあんまりないんですよ。 意外に行けるなという感じの日のほうが多いですかね」

ーー大谷さんから『無理です』と言ったことは一度もないんですか。

「ありません。デッドボールが当たっちゃったり、自打球が当たったり、試合中の思わぬことが理由で登板に影響が出そうだな、迷惑がかかりそうだなというときはバッターで出るという判断をしたこともありましたけど、そういうこと（アクシデント）が何もないときに、自分の体調がキツくて（出場が無理だと）言ったことはないかな。監督が見て、調子が悪そうだな、 疲れてそうだな、と思ったとき、勝手にラインナップから外したり、というのはありますけど」

ーー勝手に（笑）。

「そうですね、ハイ。べつに疲れてないんですけどね（笑）」 

ーーもともとファイターズの頃からやることだらけで時間では足りない生活を送ってきた大谷さんですが、今年、フルの二刀流を完遂させるために並々ならぬ覚悟で時間を使っている印象を持っていたのですが、そのあたりはいかがですか。

「そのために一番大事に考えているのは、寝ることです。もともとシーズン中はいっぱい寝るようにしてきましたけど、今年はとくにいっぱい寝るようにしていますね」

©︎Nanae Suzuki

寝ていいと言われたら、いくらでも寝られますから

ーー睡眠にたくさんの時間を費やすことがフレッシュな状態を保つ秘訣だと......。

「ナイターデー（ナイトゲームの翌日がデーゲーム）なら6、7時間寝られればいいほうかなという感じですけど、ナイターナイターだったら、10時間から12時間くらいは寝ています。スケジュールによって変わってくるのが難しいんですけど」

ーー12時間、ぶっ続けで寝るんですか。

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