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「寝ていいと言われたら、いくらでも寝られます」大谷翔平が明かした“12時間睡眠”の秘訣「練習量を減らすのも、ひとつのチャレンジかなと」
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph byNanae Suzuki
posted2024/09/05 17:02
2021年にメジャーで初のMPVを獲得した大谷翔平。エンゼルス時代に活躍の秘訣として“睡眠”のことを語っていた
「基本的なバッティングでホームランを打っている、というのが今年は多い感じがしますね。 甘い球をしっかり打って、それをホームランにできている。それだけいい見え方をしていて、ラインが出せていて、軌道のズレもなく、しっかり振れている」
ーー予備動作なく、野球盤のバットのようにポンと振って、それでいてボールに最大の力を伝えて飛ばすという、メジャーで目指してきたバッティングですね。
「それがとくにシーズンの中盤あたりはできていたのかな、と思います」
ーー打率に対する意識はいかがですか。
「もちろん率高く、ホームランも打てればいいんですけど、今は難しいですね。ボールゾーンで勝負して、食いついてくれたらラッキー、みたいな攻められ方が多いので、フォアボールも 増えています。そういう状況で率もホームランも、と欲張ってしまったら、どっちにもよくないんでね。ボール球は振らずにフォアボール、甘い球が来たら長打にするというのが、今の大事なところかなと思ってます。自分の中ではフォアボールをヒットと同じだとカウントしていかないと、バッティングがよくない方向へいってしまう可能性が高いので......今年は(マイク・)トラウト選手も(アンソニー・)レンドーン選手もケガでいないし、チームとしても苦しい。そういう中で僕が全部を取ろうとすべきでない、ということです。できることしかできませんから」
盗塁の数にはどんな意味が…?
ーーできることといえば、大谷さんには足という武器もあります。盗塁の数にはどんな意味を感じていますか。
「フォアボールが増えると、ただ一塁にいるよりも、常に走られるんじゃないか、塁に出したら二塁へ行かれてしまうんじゃないかというプレッシャーがあるだけで、自分の打席を守れると思っています」
ーー打席を守る?
「盗塁の数が増えれば、出したら走られるプレッシャーを相手のピッチャーに与えることができます。フォアボールもツーベースになると思わせれば、ピッチャーも勝負しようと思うかもしれません。だから走るということは大事なんです。もちろん簡単じゃないですけどね、盗塁は......単純にキャッチャーの肩がめっちゃ強いんで(笑)」
<第1回、第2回も公開中>