- #1
- #2
メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「大谷翔平、三冠王への問題は打点じゃなく打率です」NHK解説者が語る、“すぐに不調と言われがち”大谷の異常さ「テレビなのに大谷だけ打球音が違う」
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph byAFLO
posted2024/08/09 17:00
現地8月5日、フィリーズ戦で34号ホームラン。本塁打ランキング2位オズナとは1本差となっている(8日現在)
「野球選手が調子が悪くなる原因は疲れなんですよ。みんな技術的には十分なんだけど、疲れてくると体の動きが鈍くなって誤差が生まれる。そうすると、力が入って腕が外回りしたりする。バッターは凡打や空振りが増え、ピッチャーはボールの質が落ちるわけです。去年よかったのに今年はイマイチという選手の多くは、去年や今シーズンの疲れが残っているのです。大谷はバッターに専念しているぶん、今年は疲れが溜まっていないのではないでしょうか」
こうした大谷の好調ぶりを見れば、三冠王の期待が高まる。武田氏も、前回記事で三冠王の可能性を指摘したが、現在大谷は打点王争いでは1位に8点差をつけられている(8月8日時点で7点差)。この点は、どう予想できるのか。
「打点はどこかで抜くでしょう。ベッツらが復帰すれば、また打順は変わるかもしれませんから。現在は1番を打っていますが、2番や3番になればおのずと前にランナーがいる場面も増えるでしょう。三冠王での問題は打率だと思います。1試合1四球1安打のペースが続けられたら、三冠王を取れるでしょう。彼の活躍は、ワクワクするね。子どもの頃に王貞治さんがどれほど記録を伸ばすのか、ワクワクしながら見ていた感覚と同じです。きっと大谷は生涯600本以上は打つんじゃないですか」
打者としても世界の王貞治や落合博満などと並ぶ存在になった大谷翔平。残り50試合余りで、歴史的偉業の達成なるか。
<《戦力外・藤浪》編へ続く>