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男子バレーの窮地を救った”最高の出木杉君”「もっとガツガツしてもいいのに…」大塚達宣(23歳)から漂い始める覚醒の予感とは? 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byYohei Osada/AFLO SPORT

posted2024/08/04 11:04

男子バレーの窮地を救った”最高の出木杉君”「もっとガツガツしてもいいのに…」大塚達宣(23歳)から漂い始める覚醒の予感とは?<Number Web> photograph by Yohei Osada/AFLO SPORT

アメリカ戦で途中出場し、試合の流れを変えた大塚達宣(23歳)

 帰国後の取材で大塚はこう語った。

「高橋藍選手がいなかったら負けるのかと言われるのもすごく嫌ですし、自分もやっぱり出るからには結果を残したいという気持ちがありました。

 今までも別におまけで入っていたつもりは全然ないんですけど、やっぱり今回は自分の力で残せた銀メダルというか、自分もしっかり貢献できて獲れた結果だなという印象がすごく強い。本当に自信になった大会でした。あれほどの舞台でスタートからコートに立たせてもらって、あれだけのレベルの相手と戦えた経験はすごく大きい」

 いい意味で欲が出たのでは?と聞くと、こう答えた。

「やっぱりスタートから出ると、欲が出ますよね(笑)。もっとこうできたな、とか。そういう気持ちって、途中出場よりも、最初から最後まで出られる分多くありますし、スタートだとパフォーマンスの波を試合の中で立て直す時間もある。

 そういう意味では、“欲”というか、『もっとこうしてやろう』という気持ちは確かに大きくなったのかなと思う。それをもっと練習でも、五輪まで時間は短いですけど、追求していきたい。どんなメンバーともしっかりフィットして、コミュニケーションを取って、より良いものを作っていくことを大事にしてやっていきたいですね」

大ピンチを救った“最強の出木杉君”

 だがパリ五輪では、怪我から復帰した高橋が全試合先発出場。徐々に試合勘も取り戻していった。大塚はどのような心持ちで見ているのだろうかと少し気になっていたが、そんなことは要らぬ心配だった。

 メダルどころか、決勝トーナメント進出の可能性さえ途絶えかねない大ピンチでコートに送り出されても、「こうやればいいやん」と言わんばかりのお手本のようなプレーで平然と得点を奪い、アメリカの勢いを押し返した。

 最強の出木杉君がいるからこそ、先発陣も安心してコートに入ることができるのだと、大舞台でも示した。

 準々決勝・イタリア戦からは(日本時間5日20時〜)負けたら終わりの一発勝負。予選ラウンドの勝敗も内容も関係ない。日本が培ってきたすべてをぶつけ、総力戦で勝ちを掴むのみだ。

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