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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「これだけ負けるのは人生初めて」西武・渡辺久信監督代行が苦悩を激白…100敗ペースの歴史的大敗シーズンも「どうにもならない状態は脱した」
text by
中島大輔Daisuke Nakajima
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/08/04 17:00
現役時代はNPB通算125勝、最多勝3回。監督としても6年間でAクラス5回、リーグ優勝&日本一1回を誇る
チーム打率.204と12球団最低の打線で、成長著しいのが高卒4年目の山村だ。走塁時のケガから復帰して6月25日に再登録されると、打率.150から同.234まで上昇させた。打撃動作中に頭のブレが少ないのは好打者の証で、7月15日のオリックス戦から4番で起用されている。
2017年ドラフト2位で花咲徳栄高校から入団し、外野のレギュラー候補と期待されてきた西川愛也も成長した姿を見せている。速球に弱点を見せるものの、変化球を仕留めるバットコントロールは巧みだ。
一方、先発の平良海馬とセットアッパー候補の甲斐野央が故障、エースの髙橋光成が不調で二軍落ちした投手陣では、高卒6年目の渡邉勇太朗が後半戦の開幕投手を任せられるほど安定感を見せれば、今年支配下登録された高卒3年目の左腕・菅井信也と大卒2年目の青山美夏人がいずれもオールスター前に先発で初勝利を飾った。
今もチームは多くの借金を抱えるなか、渡辺GM兼監督代行が言うように明るい材料も確かに増えている。
厳しく接することだってある
では、西武はなぜ変わり始めたのだろうか。
最も明確な点は、指揮官の交代だ。松井監督はメディアの前で選手を悪く言うことは決してなく、選手たちに対してもそうした態度を取らなかったという。対して、渡辺監督代行は厳しい接し方もするのだろうか。
「していますよ。怒るというより、諭すみたいな感じで。これはいろいろ考え方があって、本当に松井監督は性格もいいですし、優しいし、すごく選手に寄り添ってきた。選手からしたら当然、非常にやりやすい。ただ、そういう中でも『我々はプロだ』っていう意識は持っていなくてはいけない」
プロ意識とは、結果にとことん向き合うことだ。渡辺監督代行が続ける。
「結果が出ないということは、当然我々(指導者たち)も含めてですけど、選手も原因を突き詰めなくてはいけない。その中でネガティブなところは、はっきり言ってあげないとわからない部分もあるだろうし。それをなあなあにしたら、弱いチームの典型だと思う。間違っているのに何も軌道修正できないのはどうなのかなと思うので、はっきり言います」