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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「これだけ負けるのは人生初めて」西武・渡辺久信監督代行が苦悩を激白…100敗ペースの歴史的大敗シーズンも「どうにもならない状態は脱した」
text by
中島大輔Daisuke Nakajima
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/08/04 17:00
現役時代はNPB通算125勝、最多勝3回。監督としても6年間でAクラス5回、リーグ優勝&日本一1回を誇る
渡辺久信は1980年代から90年代にかけての“常勝西武”を象徴する選手だ。現役時代にリーグ優勝10回、日本一6回を達成し、最多勝に3度輝いた。監督就任1年目の2008年には、裏金問題もあって前年5位に終わったチームをリーグ制覇と日本一に導いている。
5年前からGMとしてチームの編成部門を束ねるなか、今季、11年ぶりの現場復帰はまるで想定外の事態だった。
「これだけ負けるのは人生初めて」
「あれだけ負けが込んでいたチームだったので、モチベーションというか、負けることに対して当然みんなナーバスにもなるだろうし。私自身、これだけ負けるのは人生初めて。ただね、1日負けたらその負けは過去になっていく。やっぱり前を向いていかないと、もうやってられないっていうか(苦笑)。常に負けが込んでいたけど、なぜ負けたかといろんな反省や検証をしながら、次の日には次の試合に向かっていましたよね」
監督交代後、成績を見るとチームに大きな変化はない。以下はオールスターブレイクまでの勝敗だ。
・松井監督 45試合 15勝30敗 勝率.333
・渡辺監督代行 42試合 12勝29敗1分 勝率 .293
上記の事実を振ると、渡辺GM兼監督代行はこう答えた。
「そう簡単にはね。監督が代わったからって、一気に成績が上がるのはなかなかない。いろんなことがないと、急には上がっていけないと思うし」
どうにもならない状態からは脱してきている
低迷する打線をてこ入れすべく、6月24日に巨人から松原聖弥、7月5日にソフトバンクから野村大樹をいずれも交換トレードで獲得したが、ともに二軍でチャンスを窺っていた野手だ。戦力的に大きな上積みを果たしたわけではない。
それでも前半戦を終えた7月21日のソフトバンク戦後、渡辺GM兼監督代行は「一時期のどうにもならない状態から脱してきている。しっかり野球の試合ができている感じはしている」とチームの変化を話した。
「打つほうでそこそこいい仕事をしていた佐藤龍世や平沼(翔太)、山村(崇嘉)などがケガでいなくなって、5回までヒット1本くらいという試合がずっと続いて。どうにもできない間にチャンスをもらった若手たちが試合で経験し、当然いいときも悪いときもありますけど、自分の中で普段やっていることが試合で結果につながって、成功体験がだんだん多くなってきた。今までチャンスをもらってもなかなか活躍が長続きしなかった若手が、ゲームをやるごとにだんだん成長していったのはありますね」