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「娘の結婚式を想像して、もう泣いてます」男子バレー高橋健太郎を支えた家族が願う“金メダル”よりも最高の結末「つらい時を見てきたので…」
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byKentaro's Family
posted2024/07/31 11:04
試合後、会場に駆けつけた4歳と2歳の娘を抱き上げる高橋健太郎(29歳)。コートで見せる表情とはまた違う笑顔だ
長女が産まれてから4年間、国内外を問わず、遠征中でも毎日必ず、テレビ電話を欠かさない。パパにとっては貴重な家族との癒しの時間なのだが、むしろ最近は娘たちのほうが素っ気ないという。
「テレビが見たいとか、今スマホで見ていた続きが見たいから『パパ消して!』って(笑)。何でもする子煩悩というのは言いすぎですけど、かわいがっていますね」
メダル候補として東京五輪以上に、日本代表に大きな期待がかかる中で開幕したパリ五輪。テレビや新聞を見れば「メダル」の文字が躍るが、家族が願うのはもっと違うところにある。
「心身ともに健やかでいてほしい。バレーボールをしていて、つらいこともあるかもしれないけれど、楽しそうだから、楽しく、健やかにバレーボールができていれば一番嬉しい。つらい時を見てきたからこそ、願うのはそこだけです」
自慢のパパは、日本代表が誇るミドルブロッカー。
辞めなくて本当によかった。健太郎本人だけではなく、誰もが心からそう思っている。
(連載全6回・完)
◆ミドル連載では小野寺太志の母、山内晶大の母のインタビューも公開中。