柳田は今もトップレベルのプレーヤーとして、昨年は日本代表Bチームの主将を務めアジア大会で銅メダルを獲得。プロチームの東京グレートベアーズを引っ張り、今季生まれ変わるSVリーグの顔でもある。今年は日本バレーボール協会アスリート委員会の委員長にも就任した。と同時に『THE MATES』というプロジェクトを立ち上げてバレーの指導に取り組んだり、今年は解説などの仕事も積極的に行っている。

「今まで通り、自分が少しずつ成長するというところをベースにやり続けるのは変わらない。シンプルにバレーボールが好きというところに起因しています。現役のうちはバレーを楽しんで、いろんなファンの人に与えられる影響が少しでも多くあればいいなと。次世代のためにできることもあると思いますし。やっぱり（オフを挟んで）やり始めると、改めて自分はバレーが好きでやってるんだなと感じますね」

「低迷されたら困っちゃう（笑）」

　成長を求めていくうちに、また代表に呼ばれることがあれば戻りますか、と聞いた。

「それはもちろんそうですけど。いやいや、もう僕が戻るような場所じゃダメですけどね、代表が」

　そう苦笑し、続けた。

「今、日本バレーとしては幸運なことにどんどん若手が出てきている。今後のバレー界のことを考えるとかなりいい傾向だし、自分が戻るよりそのほうが絶対いいと思う。勝てない時期も知っているし、人気の浮き沈みも若干なりとも経験している身としては。

　今、めちゃくちゃ人気が高いですけど、今だけじゃなくこれからも、例えば甲斐（優斗）君が中心選手になった時にも、同じように人気が冷めない競技であってほしいし、僕の目に映っている、これから出てくる世代の子たちが、さらに目を輝かせて、『このバレー界でやっていこうぜ』というモチベーションで競技をやってくれることが、僕は一番嬉しいので」

　バレー界の未来を熱く語ったところで、ちょっと冗談ぽくこう付け加えた。

「あと、現実的なことを言うと、僕が今後バレーに携わる仕事をするとして、低迷されると困っちゃうんで（笑）。もっともっと盛り上がって、いろんなところで取り上げてもらえるような競技に、半世紀後も、その先もなって欲しいなと思います」

（第3回に続く）

#3に続く

「石川祐希のような選手と一緒にできて幸運だなと」盟友・柳田将洋の記憶に残る“5年前のミーティング”と“小さな差”「石川こそ努力の人」