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「キーマンは関田誠大」柳田将洋が語る“男子バレー52年ぶり五輪メダル”への可能性「判断力は世界一。攻撃陣を100%以上生かせるセッター」
posted2024/07/27 06:00
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Volleyball World
「うちの甲斐君と比べたら……」
インタビュー中、柳田将洋が漏らしたその言葉に、思わず顔がほころんでしまった。
2020年まで日本代表の主将を務めた柳田に、今年の代表や他国の印象について話を聞いていた時のこと。世代交代が遅れている印象だったブラジルにも身長204cm、20歳のアウトサイドが出てきたという話になると、言った。
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「でもうちの甲斐君と比べたら……。やっぱり甲斐君すごいなと思っちゃったりする。ちょっとひいき目ですけど(笑)」
“甲斐君”とはもちろん、パリ五輪代表に選出された200cm、20歳のアウトサイドヒッター甲斐優斗(専修大学)である。
「うちの甲斐君」発言について突っ込むと、柳田はこう答えた。
「甲斐君に関しては、一言二言ぐらいしか話したことがないので、なんか、近所のおじさんみたいな気分で彼のことは見ているんですけど(笑)。やっぱり他の国の若手に比べたらひいき目に評価はしちゃいますけど、実際にすごい。ひいき目なしにフラットに見ても、今世界で、若手と言ったらおそらく彼の名前が出てくるんじゃないかと僕は思っています」
世界ランク2位「不思議な感じもする」
一方で、苦楽をともにした戦友も今の代表には多い。今年のネーションズリーグで柳田は解説を務めたが、試合後の石川祐希(ペルージャ)や関田誠大(ジェイテクトSTINGS愛知)たちとのやり取りは、少し気恥ずかしそうでもあり、楽しそうでもあった。
石川と同じ2014年に代表デビューし2021年まで、日本が強くなっていく過程に携わってきた柳田は、ネーションズリーグで銀メダルを獲得し、世界ランキング2位となっている現状をどのように見ているのだろうか。
「もちろん目指している場所ではあったんですけど、実際にそうなってみると、今僕は外から見て、いよいよそうなってきたのかと……。ビックリというか、サプライズなところはありますし、不思議な感じもしますね」
ただ、強くなる理由は確実にあった。