トルシエ：攻撃ラインに南野拓実と伊東純也、中村敬斗を並べられれば……。他にも冨安や遠藤は必要かもしれない。いずれにせよオーバーエイジはチームに大きなプラスをもたらしただろう。だが監督が選んだのは別の選択だった。

　それでも日本は素晴らしい試合を実現できると思っている。日本には優れた守備の規律があり、攻撃では限りないトランジションの潜在能力があるからだ。

守備ブロック、トランジションも素晴らしかった

――初戦のパラグアイ戦まではあと1週間ですが、やはりその方向での進化を目指して行くべきでしょうか。それとも他にもやるべきことがあるでしょうか。

トルシエ：今夜は本当に素晴らしいレッスンになったと思う。日本は規律の高さとアグレッシブなプレスを見せた。特に前半はそれが顕著でフランスにプレーをさせなかった。守備のブロックは素晴らしく、トランジションも同様に素晴らしかった。得点もトランジションから生まれた。

フランス戦、藤田譲瑠チマの先制ゴール　©JIJI PRESS

　もちろん伸ばしていかねばならないことは常にある。しかし今日の試合は日本が規律に溢れた組織を維持しながら、トランジションにおいてとても危険であることを世界に知らしめた。そこは変えるべきではない。変えるべき他の方法もないのだから。

　最終ラインの守備は少し重かった。だからボールを保持したときもカウンターでの攻撃が有効だ。ミドルゾーンでの守備ブロックはとても安定し、攻撃のトランジションも有効であるのだから。この戦略をさらに進めていくべきで、他にもいろいろ進歩の余地はあるが、何よりも自信を深めていくことが重要だ。

　フランスと引き分けたことで、日本は迷いなくパラグアイとの初戦に入っていけるだろう。この状態を維持し続けて、これから多くの決断をしていかねばならないが、日本はすでに準備ができていることを今日示したと私は思う。けが人もおらず、同じ統一性、連帯感を保ちながら大会に臨める状態が整っている。今日の試合の大きな成果は、日本が戦う態勢を整えていることを示したことだ。

グループリーグ突破？ごく普通のことだ

――それではグループリーグ突破の可能性はどう見ていますか。

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