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「テンさんの指が…」五輪直前にセッター竹下佳江が骨折…リベロ佐野優子が語る“12年前の銅メダル秘話”「最強女子バレーを支えた小さな2人」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byAZUL/AFLO
posted2024/07/24 11:01
長らく日本代表を牽引したセッター竹下佳江とリベロ佐野優子(写真は2010年世界バレー)
インタビューさせてもらったのはネーションズリーグ中で、まだパリ五輪の内定選手12名が発表される前だったが、眞鍋監督の(サーブレシーブで小島、ディグで福留を使う)起用法を見て「五輪でもリベロ2人の構想もあるのかも」と話していた。
「2人がサーブレシーブとディグで半々で出るというのは、リズムがつかみにくいし難しいと思うけど、うまく機能している感じがします。精度高く、本当に集中して頑張っているなと感じますね」
小島も福留もディグのほうが得意なタイプというイメージがあったが、小島については今年印象が変わったと言う。
「サーブレシーブが安定していますね。以前は海外勢の、日本では経験できない強いサーブにちょっと苦戦して、苦手意識があったのかもしれないけど、慣れて克服したんでしょうね。それに、いいキャラというか、チームをまとめる中心的な、重要な役割も果たしていると思います」
福留については、「ディグのポジショニングがすごくよくて、確実に上げられていますね。いい読みを持っている選手だと思う。でもディグだけの役割になるから、さらにガツガツ行ったら、もっと上げられそうな印象はあります。たぶん今の守備範囲で安定しているし、ムダな動きがないのはすごくいいことだけど、その安定している範囲を、彼女ならもうちょっと広げられそうな感じはします」とさらなる可能性に期待を込めていた。
「めっちゃ好き」13人目の山岸あかね
そして佐野が「スタイル的にめっちゃ好き」と語っていたのが山岸だった。
「崩れないというか、プレーがすごく丁寧なイメージ。サーブレシーブもディグも両方安定していると思う。ただ、あまりガツガツ行くタイプではないのかもしれません」
その3人のリベロが支える日本代表はネーションズリーグで銀メダルを獲得し、パリ五輪でもメダル獲得に照準を当てている。
12年前のロンドン五輪は、緻密な逆算の上で臨んだ大会だった。