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「テンさんの指が…」五輪直前にセッター竹下佳江が骨折…リベロ佐野優子が語る“12年前の銅メダル秘話”「最強女子バレーを支えた小さな2人」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byAZUL/AFLO
posted2024/07/24 11:01
長らく日本代表を牽引したセッター竹下佳江とリベロ佐野優子(写真は2010年世界バレー)
五輪での竹下は「普通にやっていた」ように佐野には見えたが、できる限り優しいパスを心がけた。
「あと、ハイタッチする時も『あ、どっちの手やったかな?』と気をつけていました。バーン!と勢いよくやってしまわないように」
それでも、3位決定戦で韓国を破り、銅メダルを獲得した時だけは、指のことを忘れて力一杯抱き合った。
「ありがとう」
「ありがとう」
感謝の思いをひたすら伝えあった。
1984年のロサンゼルス五輪以来遠ざかっていた悲願のメダル。小さな守護神が、大きな幸せをつかんだ瞬間だった。
(#2に続く)
◆次稿では、周囲の反対を押し切って決断した欧州移籍や、海外でプレーする選手が増えた現状への思いも明かしている。