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「テンさんの指が…」五輪直前にセッター竹下佳江が骨折…リベロ佐野優子が語る“12年前の銅メダル秘話”「最強女子バレーを支えた小さな2人」
posted2024/07/24 11:01
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
AZUL/AFLO
パリ五輪出場権を懸けた6月のネーションズリーグで準優勝を果たしたバレーボール女子日本代表。本大会では12年ぶりとなるメダル獲得が期待されている。当時のメンバーで「スーパーリベロ」と絶大な信頼を集めた佐野優子氏にロンドン五輪の記憶を振り返ってもらった。【NumberWebインタビュー全3回の1回目/第2回、3回も公開中】
注目されたパリ五輪のメンバー選考。バレーボール女子日本代表の眞鍋政義監督は、メンバー12人の中に小島満菜美、福留慧美という2人のリベロを選出した。しかも13人目の交代選手にも、献身的にチームを支えてきたリベロの山岸あかねを選んだ。
一方の男子日本代表では、山本智大と小川智大、2人のリベロの1枠を巡るハイレベルな争いが注目を集めた。
世界トップを目指す上で、リベロというポジションがいかに重要かということの証でもあるだろう。
2012年ロンドン五輪で銅メダルを獲得した女子日本代表にも世界一のリベロがいた。佐野優子である。
イギリスはバレーボールが盛んな国ではない。しかし12年前、ロンドン五輪のバレー会場だったアールズ・コートは熱狂に包まれていた。
世界を驚かせた159cmの守護神
おそらく初めてバレーを観る観客もいただろう。そんな人々の目に日本代表のバレーは曲芸のように映ったかもしれない。普通なら落ちるボールが、落ちない。驚異の瞬発力と技術、連携、そして諦めない心でボールがつながる。その守備の要がリベロの佐野だった。
身長2m近い大型選手の重量感あふれるスパイクを、159cmの小さな守護神が衝撃音とともに受け止め、チャンスにつなげるたび会場はどよめいた。佐野の周辺にボールが行けばまず落ちない。サーブレシーブは佐野が1人でコートのほぼ半分をカバーしていた。
そんなスーパーリベロは2015年に現役を引退し、今は京都を拠点にしている。