テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
大谷翔平“ある新ルーティン”とホームラン量産「ショウは“状態が良い”と言ってた」「彼の発案だ」番記者が得た各打撃コーチの重要証言
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byIcon Sportswire/Getty Images
posted2024/07/12 17:02
ホワイトソックス戦で2試合連続となる先頭打者本塁打を放った大谷。仲間からの手荒い祝福に、思わずこの表情
「彼は野球界最高の選手の1人。同じチームで彼のプレーを見るのが楽しい」と称賛し「彼の英語もなかなかいいよ。ほとんど何でも理解している。彼の考えていることをもっと知りたい」とも話していた。
バーンズは春季キャンプ中から大谷の近くに寄り添う時間が長く、コミュニケーションを密に図っている印象が強い。大谷が右肘手術から投手復帰を目指す2025年シーズンは、正捕手スミスではなくバーンズの可能性があるのかもしれない――と記者間で話題にもなっている。引き続き2人のやり取りから目が離せない。
大谷の気になる発言もあった。
7月16日の球宴前日恒例の本塁打競争に関する質問で、ナ・リーグ本塁打王争いを独走する大谷は「まだ分からない。まずオファーがないのでそれから」とした上で、「リハビリをやっているので、ドクターやトレーナー、チームの許可が必要」と現状を説明した。
一方で「もちろんやりたい気持ちは、どの選手もそうだと思うけどあると思うので。そういう他の部分との兼ね合い次第」とも語った。
打者専念の今季は、投打同時出場よりも肉体的負担は軽く、リハビリ中であることを除けば、例年より出場へのハードルが低いことは事実だが、手術明けの右肘への負担は否定できない。持ち時間内での本数で競う現行のルールは、やはり選手への負担が大きすぎる。スター選手たちみんなが栄誉に感じて出場できるように、先を見据えてもルールの再考が求められるだろう。
2戦連続先頭打者弾と打席前の“新ルーティン”
《6月26日 VSホワイトソックス(シカゴ)◯4―0》
思い込みはいけない。大谷が2試合連続の先頭打者ホームラン。1打席目の2球目のカットボールが高めのボールに見え、実際は2ボール1ストライクのところをスコアブックに3ボールと記していた。
試合後、大谷に「3ボールから四球も頭にちらつく中、どうアプローチしていたか?」とトンチンカンな質問をし「いつですか? 最初ですか?」と困惑させてしまうハメに。25日の大谷は一塁ベースを念のため踏み直したように、思い込みがなかった。大事なのは準備と本番での冷静さ。改めて大谷から学んだ。