テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
大谷翔平“ある新ルーティン”とホームラン量産「ショウは“状態が良い”と言ってた」「彼の発案だ」番記者が得た各打撃コーチの重要証言
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byIcon Sportswire/Getty Images
posted2024/07/12 17:02
ホワイトソックス戦で2試合連続となる先頭打者本塁打を放った大谷。仲間からの手荒い祝福に、思わずこの表情
「彼は今、とても良い状態にある。今日の試合も見ることを楽しみにしている、我々にダメージを与えて欲しくないね」
笑みを浮かべながら、「野球界で最高の選手の1人。昨季それを間近で見ることができて良かった」と敬意を表していた。
大谷は自身初の4戦連発を逃し、8戦ぶりの無安打でも、できることに集中した。2-0の9回1死三塁。右腕コペックの初球カットボールに反応した。犠飛にはおあつらえ向きの高めをしっかり振り抜くと、追加点への確信歩き。飛距離十分、捕球した中堅手はすぐには返球さえしなかった。貴重な3点目に大谷は、手を叩いて喜んだ。8試合連続打点で、自身の日本選手歴代最長をさらに伸ばした。
“ベース踏み忘れ先頭打者弾”をコーチにいじられた
《6月25日 VSホワイトソックス(シカゴ)◯4―3》
試合前のクラブハウス。野手のミーティング終了後に捕手バーンズが大谷に向かって「ショウヘイ! ホームラン!」と茶化し、大谷は「ハハハ」と苦笑いを浮かべていた。
その数時間後の初回にナ・リーグトップを独走する今季2度目、通算8本目の24号先頭打者アーチを描き、記者席で見ていた私も「本当に打った!」と驚くしかなかった。
ぎりぎり柵越えする当たりの行方を気にするあまり、一塁ベースを踏んだのかも不安になり、二塁到達直前にUターンして踏み直す珍場面もあった。
「打感としては(バットの)先っぽの方。越えてくれないかなと見ていてバットを持ちすぎていた」
実際は踏んでいたが、ベースを踏まずに相手からアピールされればアウト。その後、クレイトン・マッカロー一塁コーチから「ヘイ、翔平! 本塁打を打つのは難しいな」とイジられたというが、大谷らしく慎重だった。同一シーズンの9試合連続打点は、球団では殿堂入り捕手ロイ・キャンパネラが1955年に記録して以来、69年ぶりの快挙。全4得点に絡み、3連勝に導いた。
捕手バーンズの称賛と、大谷の気になる発言
大谷の本塁打を予告したバーンズは、目を輝かせていた。