球体とリズムBACK NUMBER
久保建英、三笘薫、遠藤航ら日本代表の戦友が計29人…EUROベスト4の面々を見ると「森保ジャパン普段の職場」のハイレベルさがクッキリ
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/07/09 17:27
ソシエダで久保建英とともに戦う、メリーノとオヤルサバル。彼らがEUROで活躍する姿を見ると、日本代表の“普段のレベルの高さ”も感じ取れる
グループ最終戦のスロベニア戦でスコアレスドローに終わった後には、心ないファンにプラスティックのカップを投げつけられている。
ビールをかけられるとは…だが幸運にも
「この仕事に就けば、馬鹿にされたり、能力を疑われたりするものだが、ビールをかけられるとは思わなかった」とスイス戦後に現在53歳の指揮官は話した。
「だが幸運にも、私はこれまでの人生で何度も苦境から立ち上がってきた。それらは私の意志をより強固なものにした。私はただ、そうしたものを、自らを奮い立たせる燃料として使ってきたのだ」
確かにこれだけ豪華な面子が揃うチームなら、より自由に攻撃を仕掛けるチームが見たくなるかもしれないが、それはフランスにも当てはまることだ。デシャン監督もサウスゲイト監督も現役時代は守備的な選手で、トーナメントで勝ち上がるための手法を貫いているだけではないか。どれだけ印象的なパフォーマンスをしても、勝たなければ、歴史に名は残らない。
また戦術はさておき、そのマネジメント能力を称えないわけにいかない。
閉塞的で権威的だった代表キャンプをオープンで楽しい場所にし、純白のシャツから過度な重圧を取り除いてきたサウスゲイト監督は、スイス戦のPK戦の5番手にアレクサンダー=アーノルドを指名。スリーライオンズではどこか自信なさげだったリバプールのSB兼MFに、得意のキックを生かす最高の場面を与え、思惑通りの結果を手にしたのだ。きっとこれで勢いが生まれるだろう。
前述の2人以外にも、DFジョー・ゴメス(リバプール)、GKアーロン・ラムズデイル、MFデクラン・ライス(共にアーセナル)、DFルイス・ダンク(ブライトン)、FWハリー・ケイン(バイエルン)、そして鎌田大地が加入したばかりのクリスタルパレスのGKディーン・ヘンダーソン、DFマーク・グエイ、MFアダム・ウォートン、FWエベレチ・エゼと、多くの日本人選手の仲間がいるイングランドは、私たちにとってもっとも感情移入しやすいチームかもしれない。
オランダにもファンダイクら日本代表勢の仲間が
準決勝で彼らの前に立ちはだかるのは、決勝トーナメントに入ってから調子を上げているオランダだ。