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大谷翔平は“打席で何を考えている”のか? 「睡眠不足」の告白も…米記者が見た“騒動あっても活躍する”納得の理由「野球の90%はメンタル」 

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水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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posted2024/07/02 11:01

大谷翔平は“打席で何を考えている”のか? 「睡眠不足」の告白も…米記者が見た“騒動あっても活躍する”納得の理由「野球の90%はメンタル」<Number Web> photograph by Getty Images

大谷翔平の「メンタル」を米名物記者が分析する

 メジャーではこの10年ほどで、メンタルスキルコーチを置く球団が急増したという。今では全球団にメンタルを専門にしたスタッフやコーチがおり、複数のスタッフを置いた専門部署を持つ球団もある。

「選手によってはメンタル的なサポートを敬遠する場合もあるが、最近は積極的にメンタルスキルを理解しようという選手が増えてきた。野球というのは常に不安と隣り合わせのスポーツだ。もし私が選手だとしたら、誰かに自分のポジションを奪われるかもしれないという焦燥感を常に抱えるだろうし、4打数無安打に終わった後はもう2度とヒットが打てないのではないかと不安になるだろう。メンタルスキルコーチは選手がもっと広い角度からものごとを考えられるようにサポートするカウンセラーのような存在だ」

野球の90%はメンタル…その理由

 ちなみにドジャースにはメンタルスキルコーチとストロングマインド・プログラム・コーディネーターという肩書のスタッフがいる。メンタルスキルコーチのブレント・ウォーカー氏はスポーツ心理学の博士号を持ち長く第一線で活躍してきた専門家だ。

「テュークスベリーが言っていたが、選手を指導するときによく使うのは呼吸法、そしてビジュアライゼーション(視覚情報化)だそうだ。投手だったらピンチに陥ったときに、プレートをいったん外して深呼吸する。それによって緊張をほぐし胸の鼓動を鎮めるのが大事だと。ビジュアライゼーションは、例えば打者なら対戦する相手投手を思い描きシミュレーションをする。初めて対戦する相手でも初めてという感覚にならないくらい十分にビジュアライゼーションをすることはプラスの効果をもたらす。メンタルスキルとはそういうこと。オオタニがメンタル面でどのような指導を受けているのか、それとも受けていないのかは分からないが、メンタル面は本当に優れている。野球の90%はメンタル。彼がメンタルをパフォーマンスに影響させないということは、90%はもうすでに勝利しているということだ」

 なるほど、そう考えると大谷の今の絶好調ぶりには大いに納得させられる。

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