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大谷翔平は“打席で何を考えている”のか? 「睡眠不足」の告白も…米記者が見た“騒動あっても活躍する”納得の理由「野球の90%はメンタル」
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2024/07/02 11:01
大谷翔平の「メンタル」を米名物記者が分析する
だが「睡眠が足りなかったのが一番問題ではありましたけど、メンタルがプレーに影響するとは思っていない。しっかりとした技術さえあればどんなメンタルでも打てると思っているので、そことグラウンドでやるべきことというのは切り離してやりたい」とも話していた。
ミラー氏は2018年に『野球の90%はメンタル』という本をボブ・テュークスベリー氏と共著で出版している。テュークスベリー氏はヤンキースやカージナルスで活躍した元オールスター投手で、引退後はレッドソックス、ジャイアンツ、カブスで20年以上メンタルスキルのコーチを務めている専門家。共著者としてメンタル面に精通するミラー氏は、そんな大谷のメンタルをどう見ているのか。
「自分のやるべきことだけに集中し、何が起こっても動じず最高のパフォーマンスをするという点で、オオタニは素晴らしい仕事をしている。これは誰にでもできることではないし、誰もがそんな能力を備えているというわけでもない。スーパースターというものはスーパースターになるだけの理由があり、そんな能力を持っていることも理由の1つだ。2000年代初頭に絶頂期だったジャイアンツのバリー・ボンズは、ステロイド使用の疑惑が浮上していたがすべての雑音をシャットアウトしていた。四面楚歌の状態だったが、それでも本塁打記録を樹立し、MVPに輝いた。彼はパフォーマンスを上げるためにメンタルをコントロールできる希少な選手の1人だった」
「大谷は打席で何を考えている?」
テュークスベリー氏のメンタルスキル理論は例えばこうだ。選手のメンタルアプローチに影響を与えるものには「外的ノイズ」と「内的ノイズ」があり、それらがパフォーマンスをする上で問題になる。
「内的ノイズは選手が自分のパフォーマンスに対して持つ思考で、オオタニの場合なら『いいスイングができているかな?』『自信を持って打席に入れているかな?』『体調は万全かな?』といったこと。外的ノイズは元通訳のスキャンダルもそうだがスタンドのファンの反応などもこれに含まれる。オオタニはこれまで常に外的ノイズをブロックすることに長けてきた。彼がどんな騒動にも動じず結果を出しているのはその能力が高いからであり、驚きはない」