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伊藤洋輝バイエルン電撃移籍…なぜ韓国がピリピリ「衝撃キム・ミンジェは放出要員」「ミュンヘンで韓日戦だ」韓国メディアが”日本以上に”注視する理由
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byJFA/AFLO,Kiichi Matsumoto
posted2024/06/19 17:00
バイエルンへの移籍を発表した日本代表DF伊藤洋輝(25歳)。韓国メディアでは同国代表DFキム・ミンジェ(27歳)の去就が話題になった
『“衝撃”伊藤洋輝の加入に押され“キム・ミンジェ、放出対象の意味”主力競争に赤信号+放出メンバーに転落?』(MKスポーツ)
『押し出されたら“自尊心”が傷つく…ベンチメンバーだったキム・ミンジェ、日本のCBと主力争い』(OSEN)
『バイエルン・ミュンヘン、伊藤洋輝を獲得…キム・ミンジェと主力争いの韓日戦』(ニュース1)
『「ミュンヘンの主力は簡単じゃない」新入生・伊藤洋輝、キム・ミンジェの脅威となるか』(デイリーアン)
『キム・ミンジェの未来は?ミュンヘンが日本のDF伊藤と4年契約』(韓国日報)
『“競争”もしくは“共存”キム・ミンジェのミュンヘン、日本のDF伊藤を獲得』(イーデイリー)
報道の大半が、伊藤の移籍によってキム・ミンジェの立場が危うくなるという内容ばかりだった。シーズンが始まる前から、ポジション争いに勝てないのではという自信のなさにも見えてくる。
その理由は昨季、バイエルンでのキム・ミンジェのパフォーマンスにある。
序列を下げたCLマドリー戦での失態
2023-24シーズンは36試合に出場したが、そのうちリーグ戦は25試合。シーズン前半は主力として先発起用も多かったが、シーズン終盤はイングランド代表のエリック・ダイアー、オランダ代表のマタイス・デリフトのコンビが確立されたことで出場機会が減った。つまりベンチ要員に序列が下がってしまった。
そのきっかけと言われているのが、レアル・マドリーとのチャンピオンズリーグ(CL)準決勝1stレグ(4月30日)。試合は2-2だったが、この2失点に関与して、現地メディアから批判が相次いだ。リーグタイトルも逃すと、キム・ミンジェの不安定なパフォーマンスに批判の矛先が向くこともあり、韓国内ではたった1年で退団するのではという憶測記事も飛び交ったほどだ。
『OSEN』は伊藤の加入とキム・ミンジェの立ち位置についてこう伝えている。
『シーズン中盤まで主力で試合に出ながら、エリック・ダイアーに押し出され、ベンチメンバーとなったキム・ミンジェは、シーズン開幕前に歯を食いしばってレギュラーの座を獲得すると意気込んでいる。しかし、2024-25シーズンはし烈なポジション争いになるだろう。さらに伊藤が日本代表ということで、“自尊心(プライド)”もある。もちろん、CBとして息を合わせる可能性もあるが、伊藤よりも重用される位置にいなければならない』
さらに『MKスポーツ』は、『Goal.com』が伝えた『衝撃的ではあるが、残留の確信はない。ミュンヘンが伊藤のような左利きのCBに3000万ユーロを支払うという事実は、キム・ミンジェの移籍してもおかしくない選手ということを意味する』という内容を引用し、『そうなれば衝撃的ではあるが、キム・ミンジェの放出の可能性はまだある』と危機感を隠さない。
韓国サッカーファンとしては押し出される可能性もあるキム・ミンジェの姿を見たくないという心情の表れにも見える。