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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
182cmの長~いリーチ、愛称は「教授」、ルーキーで開幕投手に抜擢も…プロ3年目で覚醒の予感 日ハム“次世代エース”北山亘基25歳とは何者か?
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byJIJI PRESS
posted2024/06/05 11:03
今季ここまでプロ初完封を含む4勝を挙げている北山亘基。「ドラフト8位」から3年目の飛躍を期す
先発の2イニングを2安打1三振3四球。塁上に走者をにぎわわせたものの無失点に切り抜けた北山亘基。
それ以降のペナントレースでは、主にリリーフ陣の一角として55試合に登板し、3勝5敗9セーブ16ホールド。ほぼ3試合に一度は緊迫のマウンドに上りながら、51.1イニングで58三振を奪って防御率3.51。新人王受賞でもよかったほどの、内容のあり過ぎるほどの「ルーキーイヤー」となった。
さらに2年目の昨季(2023年)はシーズン途中から先発ローテーションに転ずると、11試合に先発して66イニングを投げ、6勝5敗・防御率3.41。前年、ストッパーとして奮戦した時と、ほぼ同じ防御率は驚きだった。
調整法も、心身のコンディションのあり方も、実戦でマウンドに上がるタイミングも投球数も、さらには球場の雰囲気も、すべてが真逆の2つの役割をコンスタントにやってのけたのだから、彼の投手としての非凡な能力の一端が、はっきり現れていたと言ってよい。
恩師が「キャッチボールに驚いた」高校時代
「最初の出会いは、北山が高校(京都成章高)2年の秋ですね。評判を聞いて、キャッチボールだけでもってお願いして、そのキャッチボールに驚きました」
塁間ほどの距離で、相手のグラブに突き刺さるような痛烈なボールを投げていた北山投手。相手との距離を60mから70mに広げたロングのキャッチボールになっても、その勢いがぜんぜん変わらない。
「真っすぐにぐんぐん伸びてきて、なかなか落ちて来ないボールですね。素晴らしいバックスピンでした。こういうピッチャーを育ててみたい。いや、こういうピッチャーこそ、自分で育ててみたいと思いました」
高校3年夏の甲子園大会に出場した京都成章高・北山投手。神村学園高(鹿児島)に惜しくもサヨナラ負けを喫したものの、8.1イニング投げて、8回まで毎回の11奪三振。速球で勝負できる本格派としての片鱗を見せた。