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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
182cmの長~いリーチ、愛称は「教授」、ルーキーで開幕投手に抜擢も…プロ3年目で覚醒の予感 日ハム“次世代エース”北山亘基25歳とは何者か?
posted2024/06/05 11:03
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
JIJI PRESS
日本ハム投手・北山亘基。
今季プロ3年目にして、日本ハム投手陣の先発ローテーションの一角に、確かな立ち位置を構築した快速右腕だ。5月には一時不調に陥り二軍落ちも経験したが、早々に一軍へと帰ってくると、3週間ぶりの先発となった交流戦で広島相手に5回無失点の好投で4勝目。次世代エースの立場を確かなものにしつつある。
「日本ハムの北山って、どんなピッチャーだったの?」
業界の人からさえもしばしば問われるぐらいだから、世間的にはもっとあいまいなのだろう。
京都産業大での4年間、北山投手と共に「上質な時間を過ごした」という勝村法彦監督(当時)に、いろいろ教えていただいた。
日本中がビックリ「ドラ8ルーキーが開幕投手」
いかにも「京都の人」らしい柔和な物腰。勝村氏は、たとえば、老舗の呉服問屋の大旦那さんのような雰囲気を漂わせるナイス・ミドルである。
2021年の秋のリーグ戦を最後に、20年続けた監督を退いたが、今でもまだまだ「現場の方」の雰囲気が漂う。
「いろんな方に育てていただいて、おかげさまで、ちょっとはお役に立ててるみたいで、ほんまにもう、ありがたいやら嬉しいやら」
自己実現が続く教え子の活躍に、声が弾む。
「大学4年間……いえ、高校からだったら、5年、6年見てきて、私なりに『やれる!』という確信を持って送り出した選手ですから、やっぱり嬉しいですね。新庄監督に1年目から使っていただいて。ただ、あの『開幕投手』っていうのだけは、私もビックリでしたけど(笑)」
そう、「あれ」には勝村さんだけじゃない、日本ハムファンも、おそらく相手チームも、いやきっと日本中の野球ファンが驚いたはずだ。
2022年3月25日、ペナントレースの開幕戦を迎えた新庄・ファイターズはソフトバンクを相手に、なんとルーキー右腕・北山亘基を「開幕投手」に押し立ててきた。