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大谷翔平にとってロバーツは“史上最高の監督”か? 米名物記者が明かす「私がロバーツ宅を訪ねた話」「トランプ前大統領が批判も…」 

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水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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posted2024/06/04 11:00

大谷翔平にとってロバーツは“史上最高の監督”か? 米名物記者が明かす「私がロバーツ宅を訪ねた話」「トランプ前大統領が批判も…」<Number Web> photograph by Getty Images

大谷翔平とデーブ・ロバーツ監督(ドジャース)

「2018年にドジャースを率いてレッドソックスとワールドシリーズを戦ったときのことだ。当時のドナルド・トランプ大統領がロバーツの継投策をSNSで批判したことがあったのだが、試合後の会見で1人の記者がそのことについて質問をした。するとロバーツは『トランプ大統領が試合を観ていてくれたなんてうれしいね』と笑ってから『彼は野球には詳しくないと思うし、それは単なる1人の意見に過ぎないからね』と冷静に受け答えをしていた。

 ロバーツはサンディエゴの高校時代にアメフトのQBとしても活躍していて、私は実はその頃から彼を知っているのだが、冷静に全体を見渡す能力というのは彼がもともと持っている資質なのだと思う。性格的には常に前向きで気配りができ、選手時代から今に至るまでそれは変わっていない。監督1年目の2016年シーズンが終わった後、ドジャースの名ラジオ実況アナウンサーのビン・スカリーが引退したのだが、最終戦後の引退セレモニーでロバーツが進んでマイクを持ち、スカリーと彼のアナウンサー人生をドラマチックに雄弁に語ったのが印象深かった。スピーチも非常にうまい」

なぜスター選手から愛されるのか?

 そんなロバーツ監督は当然、選手からも慕われる。そこが同監督の一番の強みだという。

「自分のチームの選手を1人のアスリートとしてだけではなく人間として知ろうとするところが彼の持ち味だ。これまでドジャースに所属したことのある選手や、今所属しているムーキー・ベッツやフレディ・フリーマンも、みんなロバーツの人柄をほめている。彼は毎日、必ず選手1人1人に寄っていって話しかける。ほんの一言、二言のときもあるし、ただ目を合わせてニッコリするとか挨拶するだけのときもあるが、そんなちょっとした触れ合いが人間関係を作っていくとロバーツは考えているし、現代の野球界、スポーツ界では、監督が親しみやすく接することで選手の潜在能力をさらに引き出すことができると信じている。それにいい関係を作っておけば、選手本人の気が進まないようなことを指示しなければならないときも、ロバーツの言うことなら仕方がないと受け入れてもらえる」

 大谷の場合もそうだ。エンゼルス時代は毎日試合に出たがったが、ロバーツ監督の下ではシーズン序盤ですでに何度か休養を取ることも受け入れている。

【次ページ】 「ロバーツは大谷史上最高の監督か?」

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