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高橋藍の電撃移籍&さらにビッグネーム獲得の噂も? 王者サントリーが大型補強…セッター大宅真樹の本音「マジで、怖いっす」その理由は?
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph bySUNTORY SUNBIRDS
posted2024/05/30 11:00
サントリーサンバーズの新ユニフォームを栗原圭介GMから受け取る高橋藍(22歳)。背番号は日本代表でもお馴染みの「12番」を譲り受けた
本格的に高橋の獲得に動き出したのは日体大2年の時だった。高橋はそのシーズンからイタリアへ渡り、栗原は翌年以降、イタリアにも会いにいった。
22-23シーズンに会った際は、「もう1シーズンはイタリアでやりたい」と振られた。
23-24シーズンは、11月中旬にモンツァを訪れじっくり話をした。一番訴えたかったのは次の2つ。
「一緒に世界一を目指そう」
「SVリーグをともに盛り上げよう」
ただ、「その時はすぐに日本でプレーしようという考えではなかった」と高橋は振り返る。
栗原は「そりゃすんなりはいかないですよね。基本的に彼は海外志向というか、海外で3年やっていて、日本ではやったことがなかったので」と苦笑する。
風向きが変わったきっかけは、昨年12月の世界クラブ選手権だった。
「世界3位になったのが大きいのかなというのは正直あります。もしうちが世界3位になっていなかったら、わからなかった」
サントリーは昨年5月のアジアクラブ選手権で日本勢として初めて優勝し、出場権を得た世界クラブ選手権でも3位に。栗原が口にする“世界一”が絵空事ではないと証明された。
決意の1年契約、年俸は“非公開”も…
その後ラインや電話などで高橋とやり取りする中で徐々に手応えを感じ始めた。
高橋は気持ちの変化をこう明かす。
「やっぱり世界クラブ選手権で3位になったり、サントリーが世界と戦えるクラブだと証明している中で、自分自身その中で新たな経験ができるんじゃないか、新しい環境でチャレンジしていきたいなという思いがすごく強くなりました」
3月、正式に入団の意志を伝えた。
「1年ごとに勝負に徹したい」という本人の希望で、契約は単年。金額については非公表だが、栗原は会見で「バレーボール選手という職業に夢を持ってもらえるようなオファーを出しました」と胸を張った。その後、記者陣が質問を重ねる中で「東京では難しいかもしれませんけど、おうちが2つ買える」と例えた。