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高橋藍の電撃移籍&さらにビッグネーム獲得の噂も? 王者サントリーが大型補強…セッター大宅真樹の本音「マジで、怖いっす」その理由は?
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph bySUNTORY SUNBIRDS
posted2024/05/30 11:00
サントリーサンバーズの新ユニフォームを栗原圭介GMから受け取る高橋藍(22歳)。背番号は日本代表でもお馴染みの「12番」を譲り受けた
改めて、高橋を必要とした理由を聞くと、栗原はこう語った。
「一番の魅力は、やっぱりレシーブも攻撃も、打つことも守ることも両方できるというところ。基本的にどちらかの選手が多いので。物怖じしない強心臓なところもですし、あとはなんか、持ってますよね、いろいろと(笑)。東京五輪もそう。1年遅れて開催されたり、いろいろあった中で出場した。そういうのもやっぱり対応力があるからだと思う。海外も、あんなに順調に行くとは正直想像していませんでした」
サントリーは今季のVリーグで2年ぶりの優勝を果たし、その優勝メンバーがほぼ新シーズンも残る。アウトサイドには高い守備力でチームを支えてきた藤中謙也や、爆発的な攻撃力を持つデ・アルマス アライン、サーブで存在感を発揮している藍の兄の塁など多彩な選手がいるが、世界一を目指すために、栗原は高橋の影響力に期待する。
「当たり前ですが、藍一人に頼るつもりはない。ただ、みんなが刺激をもらえる存在だと思う。特にアウトサイドは、アラインは歳が近いし、謙也もプライドがあるだろうし。そうしたチームの活性化や、さらなる意識の向上につながれば。
世界を経験している人間が(ロシア代表でロンドン五輪金メダリストのドミトリー・)ムセルスキー以外にもいるというのが、チームにとってプラスになるかなと。うちは代表選手も小野寺(太志)だけだし、まだ若い選手も多い。藍は海外で一人暮らしをしていたので、食事面などの意識も高いだろうし、そういうプレー以外の部分も還元してもらいたいと思っています。
年齢で言うと大卒1年目ですけど、世界でもまれてきたという点では、ムセルスキーも今は世界ではプレーしていないわけなので、藍が一番最新の世界を知っているのかなと思っています」
さらに新外国人も獲得予定
身長218cmのオポジット、ムセルスキーをはじめとする優勝メンバーに、高橋と、新たな外国人選手も加わる。他のチームも大型補強が噂されるが、SVリーグ屈指の戦力になると予想される。
サントリーのセッターで、今月日本代表Bチームで約2年ぶりに高橋と一緒に合宿をした大宅真樹は、「体格がすごく大きくなったし、ミスが少なくて、トスが多少乱れても相手の嫌なところに返したり、点につなげてくれるというのはすごくやりやすい」と印象を語った。
サントリーへの加入については、「間違いなくプラスになる。楽しみですね」。
ただ、セッターにしかわからないプレッシャーもあるようで……。