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「俺より長くNBAで…」23歳富永啓生を揺さぶった渡邊雄太の胸熱メッセージとは? 親友・河村勇輝への本音も「彼も負けず嫌いなんで」 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byReuters/AFLO

posted2024/05/21 11:03

「俺より長くNBAで…」23歳富永啓生を揺さぶった渡邊雄太の胸熱メッセージとは? 親友・河村勇輝への本音も「彼も負けず嫌いなんで」<Number Web> photograph by Reuters/AFLO

NBAで長年プレーした渡邊雄太へのリスペクトを語った富永啓生

 試合中の2人は、まったく正反対の性格に見える。感情豊かな富永と、いつでも冷静でクールな河村。

 そう言うと、富永は「(河村は)特にコート上とかではちょっとクール系のタイプの選手なんで」と言い、「これから、ちょっと僕が変えていこうかなと思ってるんです」と笑った。

 富永によると、河村の素顔はコート上とはまったく違うという。

「ふだんは全然クールじゃないですね。もっとおちゃらけた感じです」

 そんな河村のコート上での感情表現を変えていきたい、と富永が言うのは、アメリカに出てきたときには感情を出したほうがいいというアドバイスなのだろうか。深読みしてそう聞くと、そういった意味はまったくないという。どうやら、仲がいい間柄でのいじり合いの一種のようで、本音では変わる必要はないとも明かした。

「あれはあれで、またいいとは思います。自分のプレースタイルを貫けばいいと思いますし、無理することでは全然ないですし。プレーで見せることだけが一番かなとは思います」

 コート上での性格は違っても、2人に共通するのは高みを目指していく向上心と、どこに行っても負けたくないという競争心だ。

「彼は彼なりに、多分プライドを持ってやってると思いますし、彼も本当に負けず嫌いというところが強いんで。こうやってレベルが上がっていくなかでは負けず嫌いっていうところが一番大事なのではないかなと思っています」

“歯切れの悪さ”で確信した特別な関係

 進路の選択に関して、富永自身は人に相談することはほとんどないという。それでは、先にアメリカに出た先輩として、河村に相談を受けたり、アドバイスすることはあるのだろうか。

「それはあるっちゃありますね。ありますけど、何て言っていいかわかんないですけど、もちろんそういうアドバイスをし合ったりとかはありますね」

 自分のことを話していたときと比べて途端に歯切れが悪くなった。進路について注目を集めている親友がまだ公言しないことを、迂闊に口にできないという警戒からのようだ。

「アメリカの事情を共有したり、日本の状況を共有してもらったりっていうことはしています」

──早く出てこいよ、みたいな感じで誘っている?

「まぁ、ふざけてそうやって言ったりもしますし、ま、いろいろ」

──それに対しての河村選手の反応は?

「ふざけた感じでまた……。なんかちょっと、そんな感じ(苦笑)」

 やはり、歯切れが悪い。2人の関係性を知りたくて聞いたことだったのだが、あえてはっきり語らないところに、信頼関係の強さが感じられた。

【次ページ】 「日本代表はすごくいい雰囲気」

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