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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「引退会見はドイツ語だけ」ルールも…長谷部誠は日本記者のため「日本語の時間」を作った 現地記者が見た引退試合での「気配り」「ファンの愛」
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byItaru Chiba
posted2024/05/20 17:03
当初、会見場でドイツ語のみの記者対応が予定されていた長谷部誠。しかし会見が終わると、立ち上がり…
しばらくして試合終了のホイッスルが鳴った。2-2の引き分けで試合は終わり、フランクフルトは6位で今季をフィニッシュ。来季のヨーロッパリーグ出場権を獲得した。引退表明会見で「最後に6位で、みんなで祝いましょう」と語っていた長谷部。無事目標を達成することになった。
ローデと抱き合い、チームメイトと喜び合った。ライプツィヒの選手も次々に長谷部のもとに来て、握手を交わし、ハグをする。みんなが長谷部の歩んできたキャリアとその人となりに心からのリスペクトを表している。
試合後にはローデと長谷部のためのお別れセレモニーが盛大に行われることに。席を立つファンはほとんどいない。
長谷部がドイツ語で伝えたメッセージ
マルクス・クレシュSDが「クラブにとって来季ヨーロッパリーグ出場権を獲得できたのは幸せだが、今日は悲しい日でもある。レジェントの2人とお別れをしなければなりません。マコトは2014年にアイントラハトに来ました。当時30歳。2~3年かと思われましたが、そこからクラブでのキャリアは10年! ドイツカップ優勝、ヨーロッパリーグ優勝も一緒に果たしました。これからもレジェントです!」と挨拶すると、スタジアム中から大きな拍手が起こった。
次に長谷部がマイクを持ってファンへの最後のメッセージを口にする。もちろんドイツ語だ。その一言一言にファンが盛大な拍手で応える。
「みなさんのサポートは本当に最高でした。みなさんがいなかったら、僕はここまで長くプレーすることはできなかったでしょう。2018年のドイツカップ優勝、2022年のヨーロッパリーグ優勝という素晴らしい思い出。もう一度、心からの感謝の言葉を贈りたいです。本当にありがとう!」
ゴール裏のファンに伝えたこと
「ハセーベ、オオウオウ。ハセーベ、オオウオウ」ファンが大声で歌う。ゴール裏には長谷部の20番のユニフォームを掲げるファンの姿がたくさんみられる。