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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「引退会見はドイツ語だけ」ルールも…長谷部誠は日本記者のため「日本語の時間」を作った 現地記者が見た引退試合での「気配り」「ファンの愛」
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byItaru Chiba
posted2024/05/20 17:03
当初、会見場でドイツ語のみの記者対応が予定されていた長谷部誠。しかし会見が終わると、立ち上がり…
「僕はもう10年、このチームにいます。最初の3年くらいは残留争いで、入れ替え戦もありました。それからの6~7年での成長は、目覚ましいものでした。この成長をこれからも続けていくこと。あと僕は9~10月から、U19かU21でコーチをする予定です。育成選手をトレーニングして、タレントをトップチームに届けることができたら、フランクフルトは将来的に心配のないチームになると思います」
記者会見で「終わり」ではなかった
クラブの成長にこれからも貢献する意思を感じさせる趣ある回答だ。地元記者らもうなずきながら、聞いている。これが会見での最後のやり取りとなった。広報がローデと長谷部に「このクラブのために尽くしてくれたことに、心から感謝します。私にもいつでも丁寧で、リスペクトをもって接してくれました。ありがとうございます」とあいさつし、2人の写真撮影をして会見は終了。
でも、これで終わりではなかった。ミックスゾーンで長谷部が日本人記者のために時間を作ってくれた。当初予定されていなかったが、広報に一言かけて、対応してくれたのだ。こうした気配りは誰にでもできることではない。そして語られたのは――。<つづく>