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《独占インタビュー》ドジャース大谷翔平29歳に問う“10年後”「39歳の大谷さんイメージできてる?」「本当は40歳までフィジカル強化できたら…」
posted2024/04/23 11:29
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Nanae Suzuki
【初出:発売中のNumber1094・1095号[ロングインタビュー]大谷翔平「大きな決断を迫られたときに」より】
大谷翔平が今年超えるべきハードル
――今年はバッター一本、しかもドジャースの1年目となれば、周りも大谷さん自身も、越えるべきハードルは高く設定せざるを得なくなります。昨年は両立が難しいと思われていた打率3割とOPS1.000をともにクリアしました。その技術的な進化をどう感じていますか。
「まずは年々、冷静に打席に立てるようになっているのは大きいと思います。慣れもありますしね。ただ、おそらく去年と同じやり方では今年はダメだと思うので、今のところは同じ数字を出すのは難しいというイメージです。今年のOPSはよくて.950とか.960……やっぱり千(1.000)を超えるのは難しいですよ。運とまでは言いませんが、去年は入るべきホームランが入っていたのも大きかったし、いい流れもありました。必ずしも去年やったのと同じことを今年やってみて、去年と同じ数字になるという感覚はありません。近い数字にはなると思いますけど……」
――ということは、今年は何かを変えて臨んでいるんですか。
「いや、去年の感覚を出していくことを目指しています。それでも同じ感覚を再現することが難しいんです。一度やってできたからといって、今年もできる保証はありませんからね。去年は6月頃から、すごくいい感覚を長いこと維持できたのがよかったんですが、その状態をシーズンの始めから発揮して、最後までフルで維持できるかと言われたら、そういうわけにはいかないし、そこが難しいところです。しかも周りを見ても、メジャーのピッチャーは年々、球は速くなるし球の動き方も大きくなっています。球は強くなる一方なので、自分がもっと上に行かないと……上に行ってやっと同じくらいの数字になると思っています。今年はリーグも変わるし、見たことのないピッチャーとやることも多くなる。バッティングはタイミングと距離感をベースにして、その次に自分がどう動きたいかというところへ続いていくものなので、相手を知らないというのは去年までとは大きく違うところだと思っています」
10年契約ーー39歳のイメージとは?
――大谷さんがメジャーでずっと目指してきた「コンパクトにブォーン」というスイングは完成に近づいているんですか。