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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「被害者はMLBのスター大谷翔平」米司法省が水原一平容疑者の起訴状を迅速に公開したウラ事情「ここまで細かく出すとは…」との驚きも!
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byJIJI PRESS
posted2024/04/15 17:01
銀行詐欺の疑いで訴追された水原一平容疑者(手前)。米司法省の起訴状には「被害者はMLBのスター大谷翔平」と記されていた
「野球への賭博に関する記録はなかった」
この一文を何気なく読んだ人も多いかもしれない。
これは大リーグ機構からの調査依頼も受けての記載だったはずだ。
野球賭博の有無は今回の窃盗や銀行詐欺には関係ないが、大リーグ機構の規則では野球賭博は禁じられており、関与した場合は資格停止などの処分が下される。
これまでのケースでは大リーグ機構が自ら調査を行ったが、水原氏はすでにドジャースから解雇されているため、大リーグ機構の調査に協力する義務はない。そのため捜査当局に協力を仰いでいる。
37ページの起訴状は、世間の反響や反応を意識し、被害者である大谷選手への誹謗中傷、これ以上の詮索を避けるために最大限の配慮がされていた。
米国では大リーグ機構は大谷選手を守って、何が何でも無実にするはずだ、というような陰謀論を語る人もいた。
しかし内国歳入庁や国土安全保障省には、一外国人の大谷選手に忖度し、事実を捻じ曲げたりして、キャリアを棒に振るような捜査官はいない。
「大谷選手は被害者」というのは捜査による事実だ。
大谷が奮闘している時もギャンブルを
起訴状には賭博の胴元からの支払いの督促、水原氏の支払いがスムーズにいかない言い訳や賭け金の制限を上げる懇願など生々しいやりとりが時系列に並んでいた。その内容に愕然とした人も多いと思うが、金額や不正アクセスした時期などに加えて、シーズン中も頻繁に賭博業者と接触していた点が気になった。