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「大谷が好調のサイクルに入ってきた」五十嵐亮太が語るドジャース大谷翔平に期待してしまうワケ「“なおド”の心配は無用だと思いますよ」
posted2024/04/14 17:01
text by
五十嵐亮太Ryota Igarashi
photograph by
Getty Images
大谷翔平、好調時のサイン
大谷は開幕直後こそ長打が出ませんでしたが、打球スピードなどから体の状態自体は決して悪くないと見ていました。日本時間4月4日のジャイアンツ戦でホームランが1本出てからはいい意味で力が抜けて、しなやかにバットが振れるようになってきた。微妙な感覚の部分も修正されて、いよいよ好調のサイクルに入ってきたという感じがしています。
ツインズ戦では、3号ホームランを放つ直前の6回の第3打席でレフトへ強烈な二塁打を打っていました。逆方向への強い当たりが出たことで感覚を掴んだ部分があるのでしょう。過去を振り返っても、引っ張りが強すぎるというのはあまりいい状態ではなくて、センターから左方向への当たりは大谷の好調時のサインなんです。
投手視点でも、引っ張りに意識が向いてくれた方が崩しやすい。逆に反対方向に強い当たりが出始めてインコースをさばかれたりすると、ちょっと苦しいな、体が開いてくれないかな、という感じを受けますから。10日時点で二塁打を8本打つなど目立って長打も増えてきました。ホームランにしても、最初の2本は引っ張りだったけれど、3本目でついにレフト方向へ一発が出た。こういう当たりが出始めると、大谷のいいところがこれからもどんどん見られるだろうなと期待してしまいます。
新天地であるドジャースに目を移すと、やはり打線の好調が際立ちます。韓国で行われたパドレスとの開幕戦から球団新記録となる10試合連続で5得点以上をマーク。投手目線で試合を見ていると本当に恐ろしい打線だと感じます。絶好調の1番、ムーキー・ベッツを筆頭に、大谷、フレディ・フリーマンと次から次にいいバッターが出てくる。上位打線の前にランナーを溜めてはいけないと考えると下位打線に対しても気を抜けなくなるので、相手投手の負担は物凄く大きい。たとえ1試合は抑えられても、この打線相手にシーズン通して戦っていくことは難しいと思います。
ドジャースの一番の強みとは?
シーズン前の評価では、唯一の弱点として先発ピッチャーが足りないのでは、と言われていましたがここまでの戦いを見る限り全く問題ないと思います。先発ローテーションの軸になっているタイラー・グラスノーはもちろんのこと、メジャー初勝利を挙げた山本由伸も調子が上がってきていますし、25歳のボビー・ミラーは好不調の波はあるものの今季初戦だった3月30日のカージナルス戦での投球は本当に素晴らしかったです。