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「大谷が好調のサイクルに入ってきた」五十嵐亮太が語るドジャース大谷翔平に期待してしまうワケ「“なおド”の心配は無用だと思いますよ」
text by
五十嵐亮太Ryota Igarashi
photograph byGetty Images
posted2024/04/14 17:01
松井秀喜のメジャーリーグ日本人最多175本塁打に並んだ大谷翔平。「好調のサイクルに入ってきた」という五十嵐亮太氏がドジャースと大谷について語った
先ほど挙げた生え抜き捕手のウィル・スミスに、どうしてそういうことができるのか直接聞いたら、「データを出してくれる人がすごく優秀なんだ」と言っていました。自軍のピッチャーの特色や、もっとこういうボールを投げられればピッチングに生きてくる、という情報、さらに対戦相手のデータというところも含めて凄く細かく分析できている。
「Set Up Baseball」の第1回で内川(聖一)との対談の中でもお話ししたんですが、今のメジャーリーグのデータ分析は物凄いスピードで進化しています。僕がアメリカにいた時代はたった10年前くらいですが、データの量なんて大したことはなかった。もらっていたデータといえば紙1枚に文章で「このバッターはこういう傾向だから、こういう風に抑えましょう」みたいなことが書いてあるだけでしたから。
ところが今は、相手バッターの傾向一つとっても細かいコースごと、カウント別の数字や、芯に捉えた打球の割合など本当に様々なデータが揃っている。投手自身のデータにしても、回転率やボールをリリースしているポイント、変化球のホップ率がどれくらいあるとか、詳細が瞬時に出てくるわけです。でも、データって数字そのものが重要なのではなくて、読み解く人間が鍵を握るんですよ。アナリストが優秀かどうか、コーチがそのデータをどう活かせるか、選手自身もそれをどう落とし込んでいけるかというところで差が出てくる。ドジャースはその部分でも最先端を行っていて、いい人材が揃っているなという印象を受けます。
「なおド」の心配は無用?
1年間の戦いの中では、こういう部分は大いに重要になってくる。今は対戦カードも一巡目ですが、これが二回り目以降になれば分析と対策の差が出てきますから。さらにドジャースはどこか戦力に綻びが出てきたとしても移籍期限ぎりぎりまで補強も積極的に行うでしょう。長期の戦いという目で見ると尚更分厚い戦力が際立ってくる。昨年まで大谷が所属していたエンゼルスでは日本で「なおエ」なんて言われていましたけど、大谷一人が孤軍奮闘するようなことはなくなる。「なおド」の心配は無用だと思いますよ。
(構成=佐藤春佳)
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