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大学野球PRESSBACK NUMBER
なぜ佐々木麟太郎は「合格率3%」スタンフォード大に入れた?…日本人が知らない“超名門”合格のウラ話《運動部の現役日本人コーチが解説》
text by
河田剛Tsuyoshi Kawata
photograph by(L)Tsuyoshi Kawata、(R)JIJI PRESS
posted2024/04/09 11:01
スタンフォード大への進学を表明した花巻東高の佐々木麟太郎。左はスタンフォード大学内のアメフト部関連施設の様子
どんなに優秀なフットボール選手を見つけたとしても、高校のGPAが届かなそうな選手は声をかけても無駄足に終わってしまいます。そういったハードルは難関校ならではだと思います。
ただ、こうして佐々木選手が合格したことによって、日本の他競技のトップアスリートたちの選択肢にスタンフォード大が入るようにもなったと思います。その意味では、今後日本のアスリートの入学者が増える可能性も十分、あると思います。
あくまで勉強優先…練習時間は厳しく規定が
ちなみにアメリカのカレッジスポーツは競技を問わずそれを統括するNCAAという組織にかなり厳しく監督されています。日本では考えられないような厳格なルールが存在しますが、その考え方のベースになっているのは「学生の本分は勉強」というシンプルな理由です。
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競技ごとに違いはありますが、我々アメフト部を一例に挙げれば、下記のようなルールが存在します。
◆シーズンは8月から11月の4カ月のみ。それ以外はオフシーズン。
◆オフシーズンは、技術練習はもちろん、選手とコーチのミーティングも禁止。
◆シーズン中の活動時間も(試合の時間を含めて)週に20時間までに制限。
◆評定平均2.3(4.0満点)を満たさない場合、競技を続けられない。また、一定の単位数を下回った場合も、練習、試合に参加できなくなる。
いかがでしょうか。これはあくまで一部に過ぎませんが、いかに勉強へのウエイトが大きいかが分かると思います。だからこそスチューデントアスリートは一般の学生から尊敬されるし、チームのファンも増えるのだと思います。
裏を返せば、野球部で戦うことになる佐々木選手に関しても、当然、入学してから授業と部活動を両立させる難易度は相当に高いと思います。
では、実際にスタンフォードの運動部の学生生活とはどんなものなのでしょうか。
<後編「学生生活編」につづく>