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「1イニングでも長く、球数も多く」ロッテ・佐々木朗希はさらに進化する…怪物右腕5年目の手応えと心に誓う「“あの日”を背負う使命」 

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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photograph byChiba Lotte Marines

posted2024/03/31 11:04

「1イニングでも長く、球数も多く」ロッテ・佐々木朗希はさらに進化する…怪物右腕5年目の手応えと心に誓う「“あの日”を背負う使命」<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

佐々木朗希のプロ5年目のシーズンが始まる

 生まれ育った陸前高田の街はあの日、一変した。大切な自宅、自転車で1周をした街、山の中に作った秘密基地。思い出のすべてが流され、消えた。父と祖父母を失い、日常を失った。老人ホームに作られた避難所で、水もなければ、お風呂にも入れない日々を過ごした。

 小学4年生になると母方の家族のいる岩手県大船渡市へ引っ越しすることになった。震災によって生まれ育った場所から離れなくてはいけないのは辛い事だった。「転校はものすごく辛かったのを覚えています」。そんな心を支えてくれたのが野球だった。その野球が、今この場所へと繋げてくれた。だからこそプロになった今、ひたすら野球に集中し、結果を出すことに邁進する毎日を送る。

新たな伝説へ…

 プロ5年目のシーズンが幕を開ける。3月31日、開幕カード3戦目、本拠地ZOZOマリンスタジアムのファイターズ戦から背番号「17」の新しい伝説がスタートする。

「しっかりと1年間、投げ続ける。試合の中でも昨年の(自分の)平均投球回数よりも1イニングでも長く、球数も多く投げていきたい。ここまでその準備をしてきたつもり」と佐々木は決意を口にした。

 令和の怪物と言われ、メディアに一挙手一投足を追われ、街を歩けば多くの人に気づかれる日々。22歳の青年にとって未だ戸惑いを感じることもある日常だが、背負っているものの重みは誰よりも分かっている。なによりファンの期待を十分に理解している。相性のいい名古屋のマウンドできっかけを掴んだ怪物は、プロ野球ファンの期待をはるかに超えるような進化した姿を見せてくれるはずだ。

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