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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「大谷に面識はなく…顧客は通訳の水原一平」違法賭博の胴元弁護士は“大谷翔平と無関係”を主張…元大リーガーは“虚偽報告”で有罪判決に
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byAFLO
posted2024/03/25 20:00
違法賭博関与で3月21日にドジャース解雇となった水原一平氏(左)。韓国でのMLB開幕戦前の記者会見には大谷翔平の通訳として同席していた
とはいえボウヤー氏が大谷選手と無関係を主張しても、送り主の名義が大谷選手であることは変わらない事実だ。
水原氏はESPNへの取材に対し「大谷のパソコンから大谷が送金した」と話していたが、後に「大谷は関わっていない」と発言を翻しているため真相は分からない。
バス弁護士は刑事事件をメインにIRS(米国内国歳入庁)やFBI(連邦捜査局)に関わる事件も数多く担当しており、今回の発言には信憑性がある。
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SNSなどでは「大谷選手も賭けをしていたのでは」という声も出ていたが、ブックメーカーがすでにそれは否定しているほか、各種データ解析ですでに「無関係=シロ」と出ていると思われる。
現段階の争点とは…
そのため現段階では(1)水原氏がどのような方法で大谷選手の口座にアクセスし送金したのか、(2)大谷選手が自身で行ったのかが争点になる。(※大リーグ機構の調査では『野球への賭博があったか否か』も加わる)
上記に加えて大谷選手の代理人が水原氏を「巨額窃盗」で告訴しており、IRS犯罪課が水原氏とボウヤー氏の捜査を開始している。水原氏もパソコンや携帯電話などすべての通信機器が押収され、電子情報解析によってボウヤー氏や大谷選手とのやりとり、大谷選手の口座へのアクセス履歴などが明らかにされるだろう。
また大谷選手自身が万が一、自ら送金した場合は『違法賭博には関わっておらず、あくまでも肩代わりしたこと。違法賭博と知らずに送金したこと』を立証するために、捜査に協力する必要が出てくる。
元大リーガーも過去に連邦政府の捜査対象に
今回のように、連邦政府の調査により大リーガーやほかのスポーツ関係者の違法賭博への関与が判明したケースは過去にもある。
アスレチックスのマイナーリーグ選手だったウェイン・ニックス氏はスポーツ・ブックメーカー(違法賭博)を始め、スポーツ選手や関係者を違法賭博に勧誘し、ビジネス拡大を図った。
連邦政府はニックス氏の違法賭博の運営方法や顧客開拓の手口を捜査中に、元大リーガーのヤシエル・プイグ氏にたどり着いている。
少々長くなるが、違法賭博の流れと思われる部分を紹介する。