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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「大谷に面識はなく…顧客は通訳の水原一平」違法賭博の胴元弁護士は“大谷翔平と無関係”を主張…元大リーガーは“虚偽報告”で有罪判決に
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byAFLO
posted2024/03/25 20:00
違法賭博関与で3月21日にドジャース解雇となった水原一平氏(左)。韓国でのMLB開幕戦前の記者会見には大谷翔平の通訳として同席していた
DOJ(米国司法省)のプレスリリースによると、プイグ氏がニック氏に誘われて違法賭博を始めたのは2019年5月。そして6月までに28万2900ドル(約4300万円)の負債を負った。
支払いをするまでサイトへのアクセスが拒否されたため、プイグ氏は銀行で高額用のキャッシャー小切手(窓口で発行されるもの)で20万ドル(約3000万円)の支払いを実施。
サイトへのアクセスが許可されると、2019年7月4日から2019年9月29日までの間にプイグ氏はテニス、フットボール、バスケットボールの試合にさらに899回の賭けをしている。
最初の支払い後にさらに賭博にのめり込んでいるようにも見える。
虚偽報告で有罪判決
水原氏はESPNの取材で短期間に大きな負債を抱えたことを話していたが、わざと負債を膨らませ、その後に口座を凍結し、支払いが確認されたらサイトへのアクセス許可を出す、という方法が一般的なようだ。
ちなみにプイグ氏は、ニックス氏と電話やテキストで何百回とスポーツ賭博についてやりとりをしていたにも関わらず、捜査官に虚偽報告を行ったため、捜査官や検察官に虚偽の報告を行ったとして有罪判決を受け、懲役刑は免れたものの5万5000ドル(約833万円)の罰金を支払っている。
またニックス氏や同じく違法賭博サイトの運営に関与していた3人は違法スポーツ賭博事業運営の共謀と虚偽の納税申告書提出、またマネーロンダリングなどで有罪になっている。
プイグ氏は2019年オフにFAになった後、大リーグではチームが見つからず2022年に渡韓し、現在はメキシコでプレーをしている。
違法賭博自体は大リーグ時代のものだが、捜査のメスが入ったのが3年後ということもあって、この件に関して大リーグ機構は声明発表や処分などは行なっていない。プイグ氏は大リーグでのプレーを希望しているが、もしそうなった場合、大リーグ機構がどのような処分を下すのか興味深い。
ここまでは司法の部分についてだが、次回は大リーグ機構の規則を紹介したい。
<続く>
◇◇◇
*参考文献:米国司法省より:
https://www.justice.gov/usao-cdca/pr/federal-authorities-announce-charges-related-multi-million-dollar-sport-gambling
https://www.justice.gov/usao-cdca/pr/former-mlb-player-agrees-plead-guilty-felony-charge-lying-federal-agents-investigating)